球場の横にスキー場が 北海道日本ハムファイターズの新拠点エスコンフィールド北海道の集客戦略

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2023年に開業した北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールド北海道」。実はシーズンオフでも客足は途絶えません。エスコンフィールドが行っているあの手この手の集客作戦と、その先に見据えるものに迫ります。

エスコンフィールドHOKKAIDO

北海道札幌の隣町・北広島にあるスキー場。初心者向けのようですが、すぐ隣には野球場が! 2023年に開業した北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」です。

北海道日本ハムファイターズ ファイターズスポーツ&エンターテイメント
前沢 賢取締役:
「球団が打ち出した戦略は1日も休まずに、開けてみましょうということでスタートした1年でした。行楽地として休んでいたり開いていたりが分かりづらい施設・エリアは敬遠されがちだと思うので」

年中稼ぐ! ボールパーク「Fビレッジ」

ボールパーク「Fビレッジ」

新球場を核としたこの地域一帯・ボールパーク「Fビレッジ」。ここ自体を「観光の目的地」として年中稼ごうという狙いです。初年度の来場者は目標の300万人を早々に突破し、野球観戦以外の来場者も3割以上を占めました。

コンサート

苦戦が見込まれた冬の季節も、あの手この手の集客作戦で1日3000人以上が訪れます。冒頭のスキー場は海外や道外からの観光客を狙い初心者向けに。ファイターズガールが案内するスタジアムツアーはこの時期も人気です。クリスマスには1万人規模のコンサートも行いました。

必勝祈願の神社が出現!

ホームベース近くに建てられた神社

そして正月の目玉はグラウンド上に現れた神社! ホームベース近くに建てられたファイターズ必勝祈願の神社です。年末年始の帰省で地元に帰った人が、この場に足を運ぶ理由になればと設置しました。

日本経済新聞社 札幌支社 魚山 裕慈記者:
「日ハムのボールパークは新千歳空港と札幌の間にあり好立地です。冬でも親和性の高いスキーや温泉があり、それらと食とを絡めた魅力づくりは積雪寒冷地の観光施設のモデルとなるでしょう」

そらとしば by よなよなエール

世界で初めて球場内で醸造したクラフトビールを、試合を見ながら飲めると話題になった「そらとしば」。試合がある日はビールの販売制限をするほど人気でした。

利用客:
「野球やってないから広々とすごく面白いです。開放感がすごいですし、ビールも進みます。また来たいなと思います」

どうしても客が減るシーズンオフ対策として、タンクから出したばかりのビールが飲める醸造所見学ツアーを増やすほか、飲み放題付きのパーティープランを始めました。

ヤッホーブルーイング 岡 秀憲ユニットディレクター:
「パーティープランなど、あの手この手の施策をしています。最初の3年ぐらいは我慢の時間もあると思いますが、明らかに手ごたえは感じます。これをつなげていくことで、冬の間も来店してもらえるようになるのではないかと考えています」

2023年の来場者数は約350万人

球場前にJR新駅が完成する見込み

Fビレッジの去年の来場者数は、350万人に迫る見込み。観光地化の次に見据えるのが、Fビレッジ自体を「街」としていくことです。2028年度には球場の目の前に新駅ができるほか、大学や病院が移転してくることも決まりました。その発表会見で前沢さんは壮大な目標を掲げていました。

前沢 賢取締役:
「北海道の自然資源をてこにして80億人のグローバルマーケットに切り込み、北海道のシンボルであると皆さまに言っていただけるエリアを目指します」

観光地へ、そして街へ。1つの球場からどれだけ価値を生み出せるのか。日本初の試みは続きます。

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