トヨタ、中国のBYDに対抗意識か 決算会見の発言3万語を分析 「販売」「中国」を多用 今後に迫る

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10月31日に、トヨタ自動車とグループ主要8社が2023年の中間決算を発表しました。その会見時間は合わせて4時間以上。各社の経営者から発せられた言葉は、3万語を超えました。

会見で使用された約3万語の中から、多く使われた言葉をテキストマイニングツールで分析。ランキング化しました。中でも多く使われたのは「販売」でした。

1年前より「販売」の使用頻度が倍増

約3万語の中から多く使われた言葉「販売」

トヨタグループの経営者が発した言葉から見える自動車業界の課題や、トヨタグループの今後の戦略とは何か。中日BIZナビの大森準編集長に話を聞きました。

――なぜ「販売」が多く使われたのでしょうか。

決算発表の会見を分析すると、「販売」という言葉は合計77回、1万語あたりに換算すると25.9回と、1年前より倍増していました。理由の1つは新型コロナウイルスの流行によって生じた半導体不足が緩和したことが挙げられます。その結果、自動車の生産が増加して販売も増加。各社の好業績につながったので、「販売」という言葉が使われたのだと思います。

2022年よりも「中国」「EV」を意識

可視化

――さらに「中国」という言葉が2022年に比べて非常に多く使われていますね。その背景について教えてください。

トヨタ自動車、グループ各社を含めて全体の業績は好調です。電気自動車・EVの普及が急激に進む中国でのビジネスについて、課題や懸念材料を挙げる企業が多くなりました。記者からの質問も相次いだことが影響していると思います。

――「中国」が使われた頻度や文脈を可視化した図があります。そこから何が読み取れるのでしょうか。

同じ文脈で登場する言葉として、EVと中国が結びついていることが図から分かります。中国では、EVの普及が進む中でEVを中心に手掛ける大手「BYD」が販売台数を大きく伸ばしています。

一方で価格競争、値引き合戦が激化しているので、日系企業の多くが苦戦していると伝えられています。例えばアイシンの江藤副社長は、会見のときBYDを筆頭に、1人勝ちのように非常に伸びている会社があると説明していました。

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