観光バスが年間800台 経営危機に陥った老舗つくだ煮店 名物社長の試食改革でV字復活 愛知

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愛知県美浜町にある老舗つくだ煮店。経営の危機を乗り越え、今では観光バスが年間800台訪れる人気店に変貌を遂げました。名物社長がとった大胆戦略に密着します。

素朴で懐かしい味が人気を呼ぶ

濱本けい子さん

美浜町にある佃煮専門店「つくだ煮街道」。昔ながらの製法で丁寧に炊き上げた佃煮の、素朴で懐かしい味が人気を呼んでいます。

「つくだ煮街道」の運営を務めるのは、濱本けい子さんです。笑顔を絶やさないことが、接客の秘訣だといいます。けい子さんは1979年、創業2代目の濱本幸男さんと結婚。二人三脚で店を続けてきましたが、今から10年程前、経営は危機的状況に陥ります。

つくだ煮街道 運営会社 社長 濱本けい子さん:
「つくだ煮って地味ですからね。年配の人はつくだ煮食べるんだけど、若い世代は知らない人も多くて」

一時は倒産の危機に

「会社を辞めることも考えた」と話すけい子さん

味には自信がありましたが、積極的にPRはしていませんでした。また、店の場所が海から離れていたことで、観光客の数も次第に低迷。けい子さんは「売上的には激変」と語ります。

このままでは倒産するかもしれない…そんな思いで店に立つけい子さんに、追い打ちをかける出来事が。夫、幸男さんががんで亡くなったのです。

けい子さん:
「まさかそんなに早く逝くとは思っていなかったんで、信じられずショックでした。(会社を辞めることも)考えました」

どん底のけい子さんが立ち直ったきっかけは、創業当時から務めている、工場長・大岩重則さんの一言でした。

つくだ煮街道 工場長 大岩重則さん:
「奥様が社長になるという時には、自分も今まで先代に助けられてきたから、僕が当分の間頑張ろうかなって」

けい子さん:
「昔からいる人もいるし、工場長もいるし、ここでやめるのは無責任だと思いました」

売り場の3分の1をつぶして試食コーナーに

新開発したカキのペペロンチーノ

けい子さん自らが先頭に立って、経営を立て直していく決意を固めます。まず取り掛かったのは、新商品の開発でした。

けい子さん:
「このカキのペペロンチーノを開発しました。半年かかりました」

昔ながらの佃煮だけでなく、若い世代を意識した商品作りを進め、ラインアップは20種類から50種類に増えました。ただ、「商品の味」を知ってもらわなければ売り上げにつながりません。

けい子さんが進めたのは、「試食」の改革です。大胆にも、売り場の3分の1をつぶして「広い試食コーナー」を設置。店頭に12種類の商品を並べました。

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