世界一のシェアを誇る日本特殊陶業、インド人社員がARソフトを制作 ゴーグルで工場の作業手順を学べる
愛知県には自動車関連の世界的な企業が数多くありますが、エンジンに欠かせない部品「スパークプラグ」で世界ナンバーワンのシェアを誇るのが日本特殊陶業。日本国内ばかりでなく、海外の自動車メーカーでも製品が使われています。そんなグローバルな企業の現場では、外国人社員が最先端デジタル技術でモノづくりを支えています。
愛知県民にとって「日本特殊陶業」といえば、名古屋市の中心街である金山のイベントホール「日本特殊陶業市民会館」でおなじみの企業名。会社名と「NGK」というロゴはよく目にするけれども、何をやっている会社なのかを問われてすぐに回答できる県民は、それほど多くはないはず。今回は、愛知県小牧市にある工場を訪れました。
ガソリンを燃焼させて走る自動車のエンジン部に欠かせないスパークプラグ。ガソリンと空気が混ざった気体(混合気)に火を点けるライターのような役目を担います。日本特殊陶業のスパークプラグは、国内だけでなく海外の自動車メーカーのガソリン車の多くに使われています。
インド出身の女性社員がARソフトを制作
今後、製品の生産技術の効率化や省力化のために、工場のデジタル化を進めていく使命をもった部門が生技統括部SF推進課です。
生技統括部で活躍するタカワレ・イシャさんは、入社3年目でインド出身の女性社員。インドの大学で最先端のデジタル技術を専攻した後に入社し、工場作業員が使うARソフトを制作しています。
これまでの工場作業員は、機械や装置の使い方が紙に書かれた仕様書を見ながら、製品の生産技術を習得していました。しかし、イシャさんが制作に取り組んだARソフトを用いれば、工場での作業指示や新入社員の指導教育へのサポートにつなげることができます。