マイナ保険証移行に現場の歯科医師が問題提起 「医療情報はマイナンバーカードと紐付けるべきではない」

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2024年の秋、現行の健康保険証は廃止されて「マイナ保険証」に移行することが決まりました。医師や患者はどう受け止めているのか。すぎとう歯科クリニックの杉藤庄平院長に、話を聞きました。

個人情報流出のリスクを懸念

マイナ保険証

―――現行の健康保険証からこのマイナ保険証への移行について、どのように捉えていますか。

医療情報はマイナンバーカードと紐付けるべきではないと考えています。マイナンバーカードを不正利用して、マイナポータルに入れば医療情報だけではなく所得情報や口座情報など、さまざまな個人情報を見ることができてしまいます。そのため、紐付けはやめていただきたいと考えています。

―――個人情報の管理が怖いから、反対の立場なのでしょうか。

マイナンバーカードを持ち歩かなければいけないという状態が起きてしまうのが心配です。

―――実際に杉藤さんの病院で個人情報に関するトラブルなどありましたでしょうか。

現時点ではマイナンバーカードで受診される患者さんは非常に少ないため、まだトラブルはありません。

―――個人情報を病院側が見ることができることにもリスクはあるのでしょうか。

個人情報を病院側が見ることはほとんどありません。ただ、マイナンバーカードを誰かが不正に取得した場合の話になります。

―――マイナ保険証の運用が始まっている中、具体的なトラブルなどエピソードはありますか。

オンライン資格確認システムの運用までに非常に時間がかかりました。機械を導入してから、専門の業者さんに訪問してもらい接続をしましたが、8か月で11回来ていただき、ようやくつながった状態です。

今でも、回線のエラーなどで患者さんのマイナンバーカードを読み込まないことがあり、患者さんに迷惑をかけてしまうことがあります。

―――実際にマイナ保険証を使っている側も、トラブルに対する影響があるのですね。

そうですね。今の段階ではマイナンバーカードで受診されると、一部負担金が安くなりますが、読み取れないと安くできなくなります。そういった場合は、現行の保険証を使っての対応になるかと思います。

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