ドローン使って最短数時間で3D災害マップ製作 スタートアップが編み出した新ビジネスモデル

経済 社会 テクノロジー くらし・生活 コラム・特集 友だち追加

災害が起きた時に状況を地図化する災害マップ。中でも、春日井市のスタートアップ企業が作る3次元の災害マップが注目を集めています。

3Dの災害マップ

2019年10月に、過去最強クラスの台風19号が日本を直撃。東日本を中心に甚大な被害を及ぼしました。特に被害の大きかったのが福島県です。洪水や土石流などで、約1万3000戸が全壊もしくは半壊し、40人が犠牲になりました。このとき、救助活動や二次災害の防止に役立ったのが3次元、いわゆる3Dの災害マップです。

赤い部分が土石流

画像の赤い部分が土石流。山あいから集落に達していて、住宅が流されているのが分かります。

スマートフォンで向きや大きさを変更

このマップ、パソコンやスマートフォンなどで操作すると、向きや大きさが変わりました。さまざまな角度から災害マップを確認できます。

「そもそもこの土石流がどこから始まってしまったのかとか、なかなか人の目では確認できない部分が迅速に把握できました。危ないところを早めに把握して、近くの住民に連絡できます」(福島県南相馬市の担当者)

スタートアップ企業が3Dマップを手がける

テラ・ラボ

この3D災害マップを手掛けたのは、春日井市に本社がある2014年設立のスタートアップ企業「テラ・ラボ」です。

「(飛行機や衛星の)空からの空撮では、どこから撮った写真なのか非常に分かりにくいです。位置情報を正確に把握するためには、3次元的なデータ化をしたり、地図に落とし込んだりすることが重要です。空からの地図を作る分野がこれから発展しそうだと予見したので、この分野に乗り出そうと思いました」(テラ・ラボ 松浦 孝英社長)

ドローンを使用

テラ・ラボが使うのはドローンです。主に測量に使われるレーザーセンサーと、色を判別するセンサーが付いています。ドローンは調査エリアに着くと、地表に向かってレーザーを発射。反射する時間を基に高低差を割り出すと同時に、対象物の色を判別してデータ化します。

解析ソフトにかけると、たったの3分で3Dマップが完成しました。地表から木々まで、高低差・色合い共にくっきりです。

「災害が発災したらまず現場に行きます。我々が今目指しているのが、ドローンを飛ばし始めてからインターネットに共有化するまでを3時間以内でやりたいと思っています」

おすすめの記事

おすすめの記事

アクセスランキング

アクセスランキング

ページトップへページトップへ