脱炭素化に向けデンソーが水素活用の実証実験 天候に左右されない発電・蓄電で工場に電気を供給
トヨタグループの自動車部品メーカー「デンソー」は、工場の脱炭素化に向け、水素を活用した実証実験に今週から取り組んでいます。
18日、その実験設備が報道陣向けに公開されました。
西尾市内にあるデンソーの工場施設の一角に設置された実験設備。発電や蓄電を行い、工場に電気を供給する仕組みです。
発電に使われるのは、太陽光パネルとSOFCと呼ばれる燃料電池です。SOFCは、都市ガスから水素を生成し、空気中の酸素と反応させ電力を発生させます。
太陽光発電と比べ、天候に左右されることなく発電でき、電力会社から購入する一般的な電気とくらべ、二酸化炭素を30%削減できるのが特徴です。
そのほか余剰電気を蓄電する設備も備え、安定した電力供給が可能か1年間実験を行います。
「今回設置したものは(工場の)1000分の3のスケールです。約50%(CO2)を削減できるとシミュレーション上はなっています。これだけでカーボンニュートラルはできませんが、我々がこういうものを使いながら手助け、貢献できればと思っています」(デンソー乗用サーマル事業部 栗山直久統括部長)
2035年に完全なカーボンニュートラル化を目指しているデンソー。今回の実験で得られた結果は、より脱炭素化に対応するためのシステム開発に生かされる予定です。