「睡眠時間の長さ」が企業業績に影響アリ 睡眠時間が「長い企業」の利益率は「短い企業」の1.5倍
「睡眠」をテーマに従業員の睡眠と企業の業績との関係について、中日BIZナビ編集部の大森編集長に話を聞きました。
従業員の睡眠と企業の業績などについて調べている慶応大学の山本勲教授によると、山本教授が、上場企業に勤める会社員1万人にアンケートをしました。回答者が5人以上あった企業447社について調べた結果、1日の平均睡眠時間は6.3時間でした。
睡眠時間によって利益率に差が出る
調査対象とした企業を「睡眠をとれていない企業」「睡眠をよくとれている企業」など、5つのグループに分けました。左側は睡眠がとれていない企業のグループで、右側に行くにつれて、睡眠がとれている企業のグループになります。その次に、グループ単位で企業の利益率の平均を調べました。
睡眠時間がとれていない企業の利益率の平均は6.2%。一方、睡眠時間が長い企業の利益率の平均は9.9%でした。
JR東海は「ウェルネスブック」で働きかけ
そこで各企業が「睡眠」について対策に乗り出しています。JR東海は社員の健康増進を図り生産性を高めるため、2024年に「ウェルネスブック」を作成しました。冊子の中には食事や禁煙など5つの大枠の中に、「睡眠」という項目もあります。
品川駅には泊まり勤務者が寝る部屋とは別に仮眠室が設置されました。全職員が、昼食を食べたあとなど、10分から15分程度、仮眠をとることができます。現場の職員自らがアイデアを出して、アイマスク置いたり、アロマをたいたりしているそうです。
従業員の睡眠が長い企業の特徴3つ
睡眠について調査をした山本教授は、従業員の睡眠が長い企業の特徴を分析しています。
・残業が少ない企業
・通勤時間が短い人が多い企業
・有給休暇をたくさん取っている企業です。
これらの点に気をつけることで、自然と従業員の睡眠の質は良くなるかもしれません。
上司の睡眠時間もポイント
また山本教授は「上司の睡眠」もポイントに挙げています。「上司の睡眠を良くすれば、相乗効果で部下にも周りに及んでいき、良いマネジメントができるようになるし、コミュニケーションが取れるようになる」と指摘していました。