空港を地域再生の起爆剤に リピート率9割超えのワーケーションツアーを職員が企画

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全国的に地方空港の搭乗者数が軒並み減少するなか、利用者を大幅に増やしている空港があります。その秘密に迫りました。

南紀白浜空港

和歌山県の「南紀白浜空港」。1日3往復する東京・羽田からは、1時間強とアクセスが良く、近くには、「ジャイアントパンダ」がいるテーマパークや、白い砂浜の海水浴場もあります。

東京便のみという小さな空港ですが、南紀白浜空港の搭乗者数は、2022年度で過去最多を記録。この空港に何が起きているのか。その集客方法に注目しました。

南紀白浜エアポート社長・岡田信一郎さん

毎日、空港で客を出迎えるのは、南紀白浜エアポート社長・岡田信一郎さん。「産業再生機構」の最高執行責任者・冨山和彦さんらが設立した「経営共創基盤」の共同経営者です。かつて関西空港の再建を指揮した「空港のエキスパート」で、2018年、運営に乗り出しました。

南紀白浜エアポート社長 岡田信一郎さん:
「観光の方はどうしても夏や週末によります。ビジネスの方は、逆に平日です。これを埋めていかないといけません。ビジネスで来る人の用事を作らないといけません」

ワーケーションに注目

「ワーケーション」で山の奥深くまで進む

目を付けたのは、「ワーケーション」です。これまでに2000件を越えるツアーを行い、リピート率は、9割を超えます。しかも企画からアテンドまで行うのは空港職員。空港でありながら、旅行代理店の認可を取得して、ツアーを主催しているんです。

内容も一味違います。この日は、東京から大手IT企業のヘルスケア部門が4度目の参加。向かうのは「観光地」ではなく、山の奥深くです。

自社のヘルスケア事業でもアイデアの参考にしてもらう

オーダーメードのプログラムを提供

さらに荒れた山道を登っていくと、そこには苗木を運ぶ大型のドローンがありました。林業の先進事例を知ることで、自社のヘルスケア事業でもアイデアの参考にしてもらおうというのです。

南紀白浜エアポート室長 森重 良太さん:
「例えばヘルスケア領域で(山間部に)薬を飛ばすとか、食事を届けるとか『健康』のところにドローンを活用するっていうのが広がっていく可能性はあります」

ビジネス客:
「あーなるほど。そういうのもあるんだ」

森重さんは事前に企業からヒアリングを行い、オーダーメードのプログラムを提供することでリピーターを増やしてきました。

TIS ヘルスケアプラットフォームサービス部長 山本 勇樹さん:
「足元のビジネスだけじゃなくて、その先にどうつながるのかという目線になります」

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