「検察側の証拠は違法に収集されたもの」と主張 愛知県知事リコール署名偽造事件で被告の男が主張
署名にはすでに亡くなっている人のものも
2020年、美容外科・高須クリニックの高須克弥院長らが大村知事の解職請求のため、署名を集めると発表。リコール団体が設立されました。その理由は2019年の芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展です。慰安婦をモチーフにした少女像などが展示されていたことなどが問題だとして、実行委員会の会長だった大村知事の解職を求めました。この運動には、名古屋市の河村たかし市長も応援団として参加していました。
大村知事のリコールを求め提出された署名は、約43万5000人分です。しかし提出された署名の中には、すでに亡くなっている人のものなどが含まれていたことが発覚。愛知県選挙管理委員会は提出された署名の8割以上について、無効と判断しました。
リコール団体の事務局長を逮捕
そしてついに2021年5月、リコール団体の事務局長だった田中孝博被告が署名を偽造した疑いで逮捕、翌月起訴されました。起訴状などによりますと田中被告は2020年10月下旬、すでに有罪判決が確定している田中被告の次男らと共謀。佐賀市でアルバイトを動員して有権者71人分の署名を偽造した罪に問われています。
2021年9月に開かれた初公判では起訴内容について「弁護士から説明してもらいます」として認否を留保していました。初公判から2年以上が経過した13日、ようやく2度目の公判が開かれました。
13日の裁判で田中被告は起訴内容について「その件につきましては、弁護士に答えさせていただきます」と話し、田中被告の弁護士は「公訴事実の大枠については争わない」としました。
続く冒頭陳述で弁護側は「代筆作業が行われたことは事実である」としたうえで、「田中被告は虚偽にリコールを成立させようという意思は持っていなかった」「選挙管理委員会は署名簿の返却を拒んでいる。検察側から提出された証拠は違法に収集されたものである」と主張しました。次回の裁判は12月21日に開かれる予定です。