ロシアの反プーチン包囲網、プリゴジン氏ら3人が画策 ワグネル反乱の黒幕の1人はベラルーシ大統領

政治 ワールド 友だち追加

ロシアのプーチン大統領は7月29日、ウクライナとの早期停戦などを求めるアフリカ諸国の和平提案について「ウクライナが攻撃を続ける限りは『非現実的』だ」と述べました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」によりますと、ウクライナはメリトポリやドネツクなど、ロシアに奪われた領土を奪還しています。両国の戦いが激化する中、民間軍事会社「ワグネル」の動向に注目が集まっています。ワグネルによる武装反乱から1か月。今、数千人規模の戦闘員が隣国・ベラルーシに移動し、訓練を開始しました。

そこで、筑波大学名誉教授でロシアの政治と社会に詳しい中村逸郎さんに話を聞きます。

ルカシェンコ大統領

――「ワグネル」のトップであるプリゴジン氏が反乱を起こしました。中村さんの話によると、この黒幕の1人はベラルーシのルカシェンコ大統領とのことですね。ベラルーシといえばロシアと友好関係だったと思いますが、なぜその大統領が黒幕になるのでしょうか。

実は、ルカシェンコ大統領は、プーチン大統領にずっと反感を抱いていました。プーチン大統領は連合国家をつくるという政策を掲げていますが、実質的にはベラルーシをロシアに吸収するという思惑があります。そのためルカシェンコ大統領は、ロシア国内でプーチン大統領に対して反乱を起こしたプリゴジン氏率いるワグネルを迎え入れることによって、今度は逆に脅しとして使うという思惑があります。

――プーチン大統領にとっては、ベラルーシとワグネルが結びつくと強大な存在になる、だからこそ脅しとして成立するということでしょうか。

そのため、先日ロシアはベラルーシに対して戦術核兵器を配備しました。そのことによって、ルカシェンコ大統領としては逆に危機感が一気に高まりました。なぜなら、ベラルーシに向けて配備された戦術核兵器を、ロシアがウクライナに対して使用する事態になった場合、一時的に世界や国際社会の非難がベラルーシに向いてしまいます。それも含めて、ルカシェンコ大統領はプーチン大統領に対して大きな不満を持っているといえます。

おすすめの記事

おすすめの記事

アクセスランキング

アクセスランキング

ページトップへページトップへ