名古屋シネマテークが7月28日閉館 ミニシアターの閉館相次ぐ 「日本は映画館に対する振興策が少ない」
7月28日、名古屋市千種区の名古屋シネマテークが閉館します。
倉本徹 代表理事:
「お気に入りは、初めて復刻版買ったやつですね。戦前の映画に関する検閲の記録」
丁寧に保管された、およそ1万冊の書物。どれも映画に関する資料です。
倉本 代表理事:
「3年前から(経費を引いた貯蓄が)200万円~250万円まできたら自分の計算上で、やめるという決意をしていたから」
コロナ禍以降、映画ファンや、政府の支援などで運営を続けてきましたが、閉館を前にした7月現在は週18万円ほどの赤字が発生しているといいます。
倉本 代表理事:
「このままいくと赤字になって破産になる。それは絶対避けるべき」
7月21日の週、全国のミニシアターが加盟している団体の関係者が、名古屋シネマテークを訪れていました。
コミュニティシネマセンターの岩崎ゆう子 事務局長は「長い間、名古屋シネマテークにはお世話になっていたので閉館される前に一度来ておきたかった。
日本はミニシアターに限らず映画館に対する振興策がほとんど行われていない。それを今まで私たち自身、実現できなかった点も、じくじたる思い。今こそ真剣に取り組むべき時」と話します。
今、全国でミニシアターの閉館が相次いでいます。名古屋では、2023年3月、東区の名演小劇場が無期限の休館に入りました。苦境が続くミニシアターの現状に2023年、開館40周年を迎えた、名古屋駅西のシネマスコーレは…
大浦奈都子さん:
「切磋琢磨しながらやってきた劇場がなくなることと未だにうまく向き合えていない」
シネマスコーレ 坪井篤史 支配人:
「(ミニシアターの相次ぐ休館に)抱えきれないキツさがあったけど。今度は逆にここをなんとかしなきゃいけない思いが強くなって。
昔から言っていることだけど残っていく舘で文化をつなぐことは大事だけど。初心者の人がミニシアターってこんなところのことを言うんだという感じで、“また来月も来てみよう”と言ってもらえる映画館をつくったほうが、いい空気になるんじゃないかと思う」