ステーキやパスタの正体は「エノキ」 勝負をかけた約500グラムの巨大エノキで売り上げは19倍に
一見、おいしそうなステーキだけど、その正体は肉ではなく「エノキ」。エノキを巨大化して活路を見出した農家の戦略に迫りました。
東京・新宿にある居酒屋チェーン「塚田農場」。秋の名物メニュー「加藤えのきの月見ステーキ」は、2カ月間に6000食(37店舗)を売り上げるほど人気です。
道の駅でステーキ用エノキを販売
焼いていたのは、宮崎県産のエノキ。宮崎では、道の駅でステーキ用エノキが販売されています。価格は1つ180円。売り場には、手のひらを覆うほどの大きなエノキ(550グラム)も並んでいます。
このエノキを作っているのが、宮崎市にある加藤えのきです。
工場の室温は、成育状態に応じて4度から14度ほどに保たれています。エノキダケの原料をボトルに詰めて菌を培養。そのボトルで2カ月間育てると、550グラムの巨大エノキが出来上がるといいます。ほとんどの同業者がつくるサイズと比べ、約2倍です。
「ボトル大型化」で独自路線を開拓
加藤えのきが栽培に使うボトルを業界標準より大きくしたのには、あるワケがありました。会社を継いだ2005年ごろ、大手の大量生産によってキノコ市場全体で値崩れが続いていたのです。
加藤えのき 加藤修一郎社長:
「今までの延長線でキノコを作り続けていたら、ジリ貧になるのは分かったので、やっぱり大きく何かを変えないといけないというタイミングだったんです」
そこで当時の売り上げの5倍、5億円の投資を決断しました。工場はゼロから設計し、棚などの設備は一新。そこまでしてようやく、異例の「ボトル大型化」を実現させることができました。
扱うボトルの数が減り、生産効率は2倍になりました。また「売り方」にも独自の戦略があるといいます。
大きなエノキの株を“小分け”に
業界では200グラムか300グラムが一般的ななか、5つのサイズを展開。消費者ニーズの多様化に応えたことで、スーパーに置かれやすくなり、ミールキットにも採用されました。
そして新たな用途も開拓。「ステーキ用エノキ」だけでなく、パスタのように食べてもらおうと、エノキを長めに栽培したのです。
加藤えのき 加藤社長:
「エノキって鍋需要とか、食べ方が凝り固まったような商品だと思いますので、エノキの魅力をもっともっと広げていって、エノキの需要拡大にもつなげていきたいなと」




















