元中日ドラゴンズの平田良介が指導 公式戦勝利ゼロの女子高野球部が全国大会で見せた激闘に密着・啓明学館
名古屋駅に最も近い女子高「私立啓明学館高等学校」にあるのが、創部2年目となる硬式野球部。メンバーの3分の1が野球未経験者です。啓明学館硬式野球部は未だ公式戦での勝利がゼロ。それでも初勝利を目指して、毎日明るく元気な声とともに練習に励んでいます。
手作り弁当や応援で娘さんを元気づける
春に開催される全国大会を前に、男子中学生チームと練習試合を行いました。結果は5-13と大敗。自分たちよりも格上の相手とはいえ、調子の上がらないチーム状況に、主将の加藤比真莉さんの目に悔し涙が浮かびます。
そんな加藤さんを支えているのが、父親である龍文さんです。シングルファーザーである龍文さんは、2人の娘さんのために毎日お弁当を手作り。試合があれば、必ず駆けつけて応援します。時には、YouTubeで見つけた参考になりそうな動画を娘さんに送ることも。練習で夜遅くなる娘さんのために、毎日送り迎えも欠かしません。
元ドラゴンズ選手・平田良介さんがサプライズ指導
小学校時代に全国優勝したチームでレギュラーだった加藤さん。強いチームの雰囲気を知っているからこそ「きっかけがあれば全然勝てる」と話します。
加藤さんの気持ちを受けてサプライズで駆けつけたのが、中日ドラゴンズで活躍した平田良介さん。プロ野球で培った技術と経験を元に、平田さんが部員たちに直接技術指導を行います。
平田さん「人一倍声を出す」ことの大切さ
平田さんが部員たちに送った全国大会に向けてのアドバイスは「エラーしても落ち込むんじゃなく、人一倍声を出す」。そしてエラーした人に対しては「いいよいいよ! 私たちがカバーするから」と声をかけることが大切だと伝えます。
平田さんの指導を受け、より一層練習にも熱が入った部員たち。その練習試合で好ゲームを続け、いよいよ全国大会の試合当日を迎えます。
今回挑むのは、埼玉で行われる「第24回全国高等学校女子硬式野球選抜大会」。年に3回行われるこの大会には、全国から45校が参加。啓明学館硬式野球部も新チームで初勝利を目指します。
タイムリーツーベースで1点先制!
対戦相手は室戸高校。先行の啓明学館は初回に1番打者の須崎さんがいきなりのスリーベースヒット! ノーアウト3塁から、2番打者の主将・加藤さんが左中間を破るタイムリーツーベースで早くも1点を先制します。
さらにチャンスは続いて1回で2点を先制。課題だった守備でもナイスプレーを連発します。エラーがあっても全員でリカバリーする部員たち。平田さんの教えが生きています。