警察官の採用試験、受験者は10年前の半数に 公務員試験と併願の若者増える「きつい、厳しい」払拭なるか

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2012年から受験者数が減少傾向にある警察官採用試験。愛知県警によりますと、2012年度の受験者数は5171人、倍率は約9倍でした。しかし2022年度には2295人と10年前の半分以下の数です。

なぜ受験者数が減っているのか。受験者数減少の問題について、犯罪ジャーナリストで元刑事の小川泰平さんに話を聞きます。

警察採用試験の受験者数

――警察官採用試験の受験者数が減っている理由にはどのようなことが挙げられますか。

愛知県警だけに限らず、一般企業の有効求人倍率が非常に増えています。そのため「公務員離れ」になり、警察官を希望する人が減少しているのが大きな要因かと思います。

――実際に10年前と比べると現在は半減しています。倍率も4倍ほどになっていますが、心配するような数字でしょうか。

受験者数の倍率は4倍はあるので、今の時点で何かしなければいけないわけではありません。しかし、今後倍率が2倍などに減少すると、危機的なこととして考えなければなりません。警察としては、受験者数よりも質の良い人材を確保したい気持ちがあります。公務員になりたい人ではなく、警察官になりたい人を採用したいというのが本音だと思います。

――「警察官になりたい人」以外も受験しているということですか?

私が警察官になった40年ほど前は、警察以外受けていない人が多くいました。ただ、ここ10年ぐらいは公務員志向が強くなっています。例えば愛知県警では愛知県庁を受けたり、区役所も受けていたり。区役所が受かった場合は区役所に勤務する人も多くいます。警察官の受験に加えて、公務員試験も受けている人が多数いるのです。

警察官として働く「魅力」や「やりがい」をアピールする

――近年は公務員試験の併願が増えてきているのですね。

公務員のさまざまな職種を併願しているのが現実です。

――県庁と警察官では仕事の内容が全く違うと思います。そのギャップを埋める必要もあり、仕事を続けるのが難しいと感じる人も多くいるのではないでしょうか。

警察官は「厳しい」「きつい」といったイメージが強いと思います。それ以上に警察官としてのやりがいもあります。警察官の中には刑事や白バイなど、さまざまな部署があるので、本人の希望があれば警察官として街の治安維持のために全力を尽くしてもらいたいです。

――「警察官になりたい人」を多く確保するためには、どのようなことが必要でしょうか。

警察官の大変さや厳しさだけではなく、警察官として働いたときの魅力や仕事のやりがいをアピールしていくのも1つの手だと思います。

――警察官になったときの魅力をアピールするような、専任の人材は警察官の中にいますか。

大学を卒業して数年しか経ていない20代の警察官がリクルーター制度を使い、卒業校に行って説明会を行っています。同じ年代の警察官が質問に応じていますが、専門ではなく普段は刑事や交通課にいる人です。普段の業務とリクルーターを兼務で行っているのが現状です。

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