外国人目線で「日本の良品」を発掘 国内では埋もれていても、海外では関心高い日本製品を越境EC
国境を越え、インターネットを通じて商品を販売する越境EC(Eコマース)。日本の通販サイトで販売している商品を、海外の利用者に向けて購入・販売している企業を取材しました。
海外に向けて昆布を販売
神戸市で60年以上、昆布の加工販売や卸を営む会社。国内で昆布を食べる習慣が減り、得意先だった昆布店が相次いで店を畳んだといいます。そんな中、始めたのが海外に向けた昆布の販売。利用したのは 「ゼンプラス」というサービスで、日本の埋もれた商品を世界に向けて販売するサイトです。
商品件数は900万点以上、販売実績は 175か国。例えば京都宇治市の抹茶は、アメリカを中心に約20カ国に売れました。出店にかかる手数料などは一切かからず、商品が売れた場合、金額の10%をシステム料として支払う仕組みです。
運営するのは「ゼングループ」という会社。会議室をのぞいてみると、日本語で話をしていますが、参加者は全員外国人。「Zen Group」の社員は約5割が外国人です。ほとんどが「技術・人文知識・国際業務」といった在留資格で働いています。
創業者の1人が、ウクライナ出身のスロヴェイ・ヴィヤチェスラヴさんです。キーウ大学を卒業し、 日本で博士号を取得。留学仲間だったウクライナ人・ロシア人と立ち上げたのが「ゼングループ」です。
フィギュアなどのアニメグッズが人気
起業のきっかけは、あるニーズを感じたことだといいます。
スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴCEO:
「(母国に)日本のお菓子やお茶、電化製品を持って帰るとみんな関心が高いです」
主力はネット通販サイトの商品を、海外に住む外国人の代わりに購入し、発送するサービスです。特にフィギュアなどのアニメグッズが人気で、登録者数は270万人。消費者のもとに届けた商品の流通総額は、153億円に達しました。
2016年、新たな事業として 始めたのが、イチから「日本の良品」を発掘する「ゼンプラス」です。
スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴCEO:
「(海外で日本の商品は)ニーズは高いものの、直接購入できないという状況が続いています。その乖離でビジネスのチャンスがあるのかなと」