玄関先に象形文字のようなマークは「マーキング」 住宅侵入盗の犯人が事前下見で行うマーキングが変化
「侵入盗」の被害が増えています。愛知県内で発生した侵入盗の被害件数は、2025年に入り4月末までに1038件と、前年の同じ時期より73件増加。警察は防犯対策を徹底してほしいと呼びかけています。
侵入盗は事前に建物の下見を行ってマーキングするケースが多いのですが、最近は変化が起きています。被害に遭わないために注意できることはあるのでしょうか。侵入盗の手口に詳しい防犯アドバイザーの京師美佳さんに話を聞きました。
ガスメーターに書かれた「WC16-20」の文字
――侵入盗に標的にされないよう注意することはあるのでしょうか。
防犯アドバイザー 京師美佳さん:
「まず、犯人がやみくもに侵入盗に入るケースは少ない。事前に住宅の下見を行った犯人が住民に関する情報を共有するため、アルファベットや数字などを玄関口に書くなどしてマーキングされているケースが多いです。この写真は実際に大阪の住宅で撮影されたマーキング。こうしたマークが書かれていないかチェックが必要です」
――この「WC16-20」は何を意味しているのでしょうか。
「WがWOMENの頭文字で女性、CがCHILDの頭文字で子どもを意味しています。その横の数字は16時から20時、つまり『女性と子供が16時から20時の間、留守にしている』という意味になります。マーキング自体は20年ほど前から存在していますが、現在も多く確認されています」
エアコンの室外機、水道メーター、側壁などに注意
――マーキングをすることで捕まるリスクがある中でも現場に痕跡を残すのですね。
防犯アドバイザー 京師さん:
「いまは特に闇バイトなど当日雇われた人間が犯行を行う場合、どこを狙ったらいいのか、何時に入ればいいのか分かりません。そうしたものを近くに書いて残しておくのです。ガスメーターの上やエアコンの室外機などに書かれていることが多いです」
――最近のマーキングの傾向はいかがでしょうか。
「マーキングされる場所も変わってきていて、昔はドアや、ガスメーターの上など比較的目につきやすい場所に書かれていましたが、最近は、エアコンの室外機の足場やガスメーターのふたの裏など、住民が普段見ることのない場所に書かれているケースが増えています。
誰も見ないような場所にマーキングされていることがあるので、定期的にチェックしていただきたいです」