ちょっと入りにくいけどとてもウマい韓国グルメ店「釜山」本場仕込みの"おふくろの味"が楽しめ大人気
「まるで普通の住宅なのに、絶品の韓国料理を楽しめる」とのウワサを聞いて訪れたのが、名古屋市中村区にある韓国料理店「釜山」。住宅街になじみすぎた外観は、のれんがかかっていてもここが本当にお店かどうか悩んでしまいそうな佇まいです。
しかし、ひとたびお店に入れば、絶品韓国料理に舌鼓を打つお客さんで大賑わい! 本場韓国の人たちも惹きつける住宅街の中の名店なんです。
韓国の“おふくろの味”を堪能できる「釜山」
家庭的な雰囲気があふれる「釜山」の店内ですが、外観は落ち着いた趣。お客さんも「初めて来たときは、家か店か分からない。やっているかどうかも分からなかった」と驚くほど、ひっそりとした店構えです。
「釜山」で提供されるのは、若い世代に人気の“韓流グルメ”ではない韓国の“おふくろの味”です。お客さんからは「家で食べているような感覚! しかも味が一級品」と大好評。本場韓国の人にいたっては「母が出してくれたような料理」と絶賛します。
中でも釜山の常連客がこぞって注文するのが「チャプチェ」。春雨ではなくマロニーを使った「チャプチェ」は、つるつるの中にもしっかりとした歯ごたえあり、ごま油を利かせた甘さ控え目の味付けとも相まって、常連客から「世界一おいしい」と声が上がるほどのおいしさです。
さらに韓国では“美の秘訣”ともいわれているきくらげをふんだんに使った炒め物「モギボソポックム」も。ほかには、コチュジャンの甘辛い味がクセになるイカの炒め物「オジンオポックム」、ほうれん草やちくわなど8種類の具を別々に仕込んで巻き上げた「キムパプ」。たっぷりのホルモンを牛骨スープで煮込んだ「コプチャンチョンゴル」など、素朴ながらクセになるメニューばかりです。
「釜山」の“おふくろの味”の生みの親・李さん
1988年の創業以来、中村区の住宅街で愛され続けてきた「釜山」。店を切り盛りするのは、来日して40年を数える韓国出身の店主、李星玉(イ・ソンオク)さんです。
夫の仕事の関係で来日した李さんは、韓国語教室の生徒に勧められて「釜山」をオープンしました。
実は李さんは開業当初、ほとんど料理ができず、野菜の切り方すら分からなかったといいます。母や姉の味を思い出しながら故郷の料理を再現し、さらにアレンジを加えながら1つずつ料理を増やしていったそうです。
今ではあまりの人気ぶりに店のスペースでは追いつかなくなり、一部の常連客は店につながる“家の台所”に上がって食事を楽しんでいます。
そして食べログ百名店に2年連続選ばれるほどのスゴ腕料理人となった李さん。その気さくな人柄も相まって、お客さんたちから「第2のお母さん」として慕われ続けています。