あと1週間「韓国大統領選挙」最大野党イ・ジェミョン氏を猛追する2人 候補者1本化は難しいか
韓国の大統領選挙は6月3日です。支持率トップを走っているのが、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン候補です。そして、支持率でその背中を追うのが、与党「国民の力」のキム・ムンス候補です。非常戒厳を宣言して罷免されたユン・ソンニョル前大統領が離党を表明するなど、「国民の力」は戒厳令に否定的な中道層の支持を得るために今、必死の選挙戦を戦っています。そして、じわりと支持率を伸ばしているのが、保守系少数政党「改革新党」のイ・ジュンソク候補です。
選挙結果次第では、日韓関係にも大きな影響を及ぼします。気になる選挙戦の行方を専門家に聞きました。
各候補の駆け引きが続く中、韓国大統領選挙はどのような結末を迎えるのか。韓国政治に詳しい静岡県立大学大学院の奥薗秀樹教授に話を聞きます。
――最新の世論調査では、イ・ジェミョン候補が支持率を少し落としていて、そしてキム・ムンス候補やイ・ジュンソク候補が支持率を上げているということになっています。この理由や背景を教えてください。
奥薗秀樹教授:
「イ・ジェミョン候補については今回の選挙が圧倒的に有利だという選挙構造の中で、いわば今回の選挙は“イ・ジェミョンか否か”との言われ方がされるほどなのです。
そうした中で、どうしてもイ・ジェミョンさんという政治家には票を投じることにためらうという、アンチ、イ・ジェミョンみたいな人たちが実は多くいるのです」
奥薗教授:
「国民の力のキム・ムンス候補が、今回の大統領選挙が前倒しで実施されるという原因を作ったユン・ソンニョル前大統領との距離を取る形で、その姿勢を転換させたことにより、保守層の中でユン・ソンニョル大統領の非常戒厳令や、そういったことに対して批判的だった人たちも含めて、もう一度保守勢力が一致団結してキム・ムンス候補に集まろうとの流れができ始めています。党の中のキム・ムンス候補と対立をしていた人たちも含めて、ようやく一枚岩の体制ができつつあるのです」