“おなかが痛くなりにくい”世界では常識の「やさしい牛乳」 常温保存可能で北海道から普及を目指す
A2ミルク協会の設立と海外での認証のハードル
全国の酪農家数はエサの高騰などを背景に廃業が相次ぎ、24年、遂に1万戸を切りました。藤井さんは酪農の活路をひらこうと「A2ミルク協会」を2020年に設立。ただ酪農家が「A2牛乳」の生産を始めるのには、「A2の牛」だという認証を、海外で取得する必要があります。
藤井牧場 藤井社長:
「非常に苦労しました。(検体を)海外に牛乳を1回送るのに100万円くらいかかったりするんですよ。これは日本国内で検査を成立させないと通用しないだろうな、と」
そこで東京農業大学と協力。24年には“早くて簡単に”A2牛を見分ける遺伝子検査などを確立しました。いま、協会に加入する牧場は40に上ります。
日本経済新聞社 濱野琴星記者:
「国内でもA2牛乳を取り扱う小売店は増えています。本格普及に向けては生産量を増やし流通コストを下げるなどして収益性の確立が急がれます。A2牛乳のメリットを食の安全性を求める消費者にアピールすることが重要です」