自衛隊練習機墜落事故から6日 水中での捜索を妨げる「50cm視界」で搭乗員の安否いまだ不明
愛知県犬山市の入鹿池に自衛隊の練習機が墜落した事故から5月19日で6日目です。搭乗していた2人の隊員の安否はいまだ分かっておらず、捜索は難航しています。
記者:
「自衛隊機が墜落した入鹿池です。ボートやヘリによる捜索のほか、ダイバーによる水中の捜索が続いています」
現場の入鹿池では19日、自衛隊と警察、そして消防が450人態勢で捜索を行っています。捜索しているのは、練習機に乗っていた2人の自衛隊員、井岡拓路1等空尉と網谷奨太2等空尉です。これまでの捜索で搭乗員とみられる体の一部が見つかっていますが、身元を確認できるものは見つかっていません。自衛隊などはこれまで機体の一部などが浮いていた付近に絞っていた水中での捜索範囲をさらに拡大しましたが、捜索は難航しています。
水中の視界は“50cm” ため池は泥が堆積しやすく沈むと見つかりにくい
背景にあるのは水中の視界の悪さです。自衛隊によりますと、19日の水中の視界はおよそ50センチメートルでした。雨が降った17日はさら視界が悪く、警察と消防による水中の捜索は中止されました。
ため池などでの潜水経験がある水中カメラマンは…
オクト 潜水士 東内宏治さん:
「視界50センチだと、手をまっすぐ前に伸ばしていただくと、自分の手のひらは見えません。大体、ひじの関節の先くらいがぼんやり見えるくらい。(一般的にため池は)水の入れ替わりをしていない分、汚れというか、ヘドロのようなものが底に堆積してしまう。例えば(工具の)ドライバーのようなちょっと重たいものを落としてしまうと、ふかふかな土の中に沈んでいってしまうので、なかなか見つからない状態になる」
捜索の拠点は現在、入鹿池に隣接する博物館明治村の敷地内にあり、明治村は5月21日までの休業を発表しています。捜索が長引く可能性があり、防衛省は22日以降の対応を協議しています。