「人的ミスやエンジントラブル考えにくい」自衛隊機墜落は油圧系に問題か 専門家“背面で落ちた”可能性も
愛知県犬山市の入鹿池に航空自衛隊機が墜落した事故について、5月15日午後5時までで機体の一部や座席シートとみられるもの、隊員の服の一部が発見されました。捜索隊は夜通しで隊員の捜索にあたり、現在も自衛隊などによる捜索活動が続いています。
軍事ジャーナリストの井上和彦さんは、機体の墜落原因について、何らかの機械的トラブルがあったのではないかと見解を示します。
機体に何らかの機械的なトラブルがあった可能性
軍事ジャーナリストの井上和彦さん:
「離陸して早い段階で墜落しています。しかも航空幕僚長の話にもありましたが、4200フィート(約1400メートル)と割と低い高度でした。(機体の)姿勢を変えたときに、姿勢を崩して落ちていったのかな、ということが気になるところではあります」
――離陸後1分程度で高度を失ったという状況から、どのようなことが考えられますか。
「機体の何らかの機械的なトラブルがあったのではないかと思われます。乗っていた2人、1人はベテランでもう1人は中堅のパイロットです。新人のパイロットが訓練のために乗っている機体ではありません。機体の姿勢を崩したときに対処する方法も当然熟知しているパイロットだったはずです」
――どのような機械的トラブルだったと予想されますか。
「例えば油圧系のトラブルやフラップが作動しない、などが考えられます」
「人的ミスは考えにくい」と専門家
井上さん:
「T-4という練習機は、F3エンジンを2機搭載しているんですね。片側のエンジンがアウトになっても、残りの1機のエンジンだけで機体を操縦することはできます。なので、2つエンジンが同時にダメになることは考えにくいです。
その意味では、人的ミスとは到底考えられない。ベテランの搭乗員も乗っていて、しかも2人乗っているので、1人に何か異変があっても1人で操縦できます。人的ミスやエンジントラブルは考えにくい、ということは何らかの機体側のトラブルが生じて姿勢を崩し、そのまま急角度で入鹿池に落下したのではないかと考えています」