ガソリン車はいずれEVに「40年前のコストで掘れた石油はもう掘れない」と専門家…でも充電場所が少ない
カーボンニュートラルが叫ばれる中、EV普及を進めてきたEUの内閣にあたる欧州委員会とヨーロッパの自動車メーカーの動向に変化がありました。一方、国内自動車メーカー各社は新エンジンを発表。バイオ燃料や水素をはじめとするカーボンニュートラル燃料の開発も進められています。なぜいま、エンジンが注目されているのでしょうか。
各界の専門家やクルマ好きを一堂に集め、現実的なクルマのミライの行方を徹底討論しました。
「石油採掘のコストは上がる」いずれはEVに切り替えを
地球温暖化に歯止めをかけるため、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を削減することが求められています。現在、世界が掲げている目標は「2050年にCO2などの新たな排出をゼロにする社会」です。
エネルギーアナリストの大場紀章さんは、「いずれは電気自動車に切り替えていかないといけない」と話します。
大場さん:
「最近は新しい油田が見つかっていないんです。このままガソリン車を使い続けると、どんどんガソリン代が上がります」
なぜなら「40年前のコストで掘れた石油はもう掘れない」からと続けます。
「現在は石油危機があった1970年代に比べると、石油の採掘コストは3〜4倍も高い状況です。これから10年~20年後はさらに高いコストで石油を掘る必要があり、石油の価格も上がります」
電気自動車が普及すれば、石油の消費量を削減可能になります。さらに電気自動車が電気を使うことで、「再生エネルギー由来の電気が活用されやすくなる」との見方を示します。
トヨタの「マルチパスウェイ」がカギに?
自動車経済評論家の池田直渡さんも、石油の採掘コストが上がり、価格が上がっていくのではないかと懸念します。そこで池田さんが注目しているのがトヨタのマルチパスウェイです。「マルチソリューション(マルチパスウェイ)によって、新たな時代が始まるのではないか」といいます。
そんな池田さんは2025年1月の「東京オートサロン 2025」を訪れ、トヨタが現在開発中のハイブリッド車用エンジンを目の当たりにしました。最大600馬力あたりまで出せる予定で、「トラックからスポーツカーまで、“何でもできる”エンジン」と池田さん。