「実家暮らしの方が金かからない」愛知の学生の県内大学進学率は71.4%で全国トップ 物価高も影響か
リクルート総研が2025年2月に発表した「愛知県内の高校を卒業した学生の県内の大学への進学率」は71.4パーセントです。地元の大学に進学する学生の割合は、愛知県が全国で1番高くなっています。愛知県内の大学に進学した学生に話を聞くと「(東京の大学は)寮を借りるのが大変」「実家暮らしのほうがお金はかからない」といいます。
愛知は大学数が全国で3番目に多い
文部科学省によりますと、愛知県内には全国で3番目に多い53校の大学があります。しかし、1番多い東京に比べると半分以下。そこで進学先の選択肢を増やそうと、愛知県の学生向けに建てられた寮が東京にあります。
東京にある「三河郷友会学生会館」は、関東近郊の大学に通う愛知県出身の学生を受け入れていて、現在は男子寮と女子寮あわせて102人の学生が暮らしています。
三河郷友会学生会館 酒井崇之館長:
「1人暮らしをさせてまで、大学に行かせることが難しい家庭もあると思います。東京の大学で学べるチャンスを選択肢として増やせるという意味合いはあります」
学生たちは寮でどのように暮らしているのでしょうか。
病気になったときにも“助け合える”
寮に入って今年で3年目になる学生に話を聞きました。
東京都内の私立大学の3年生 冨田直輝さん:
「愛知出身という共通の話題があるので、みんな仲良くできていると思います。勉強を教えてもらったり教えたりの関係もそうですが、病気になったときにもほかの友だちが面倒を見てくれたり、僕も助けたりという相互関係がとても心強いです」
寮で暮らすメリットはほかにもあります。
冨田さん:
「ただでさえ学費で多くの負担を親にかけています。この寮はほかの1人暮らしをするにあたってかかる費用の半分ほどで済むところが大きいです」
全国大学生協連が行った調査によると、下宿生の生活費の平均は住居費と食費を合わせると8万2200円。「三河学生会館」の寮生が支払う1カ月あたりの費用は平均よりも1万5000円以上安い状況です。もちろん、この費用には食費も含まれています。また寮では、日曜日と長期休暇以外の日は毎日夕食が提供されます。