「こんな扱いなんだ…」旅行会社社長が挑んだ名古屋市長選挙 訪日客の"名古屋飛ばし"「変えたい」

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名古屋大学の最寄駅の出口付近で演説

この日も若い有権者に訴えを聞いてもらおうと、名古屋大学の最寄駅の出口付近で懸命に演説を行いました。しかし、振り向く人はごくわずか。

自ら「泡沫候補(ほうまつこうほ)」と認める水谷さんは、ほかの有力候補と比べると、メディアでの露出に差がありました。「泡沫」とは「泡のように、現れてはすぐに消えてしまう」という意味です。自らの訴えがなかなか有権者に届かない。有権者の選択肢に入れてもらえないもどかしさを感じていました。

【動画で見る】「何者でもない61歳のおじいさん」ひとりぼっちの選挙戦【ドキュメンタリー】

「なぜメディアは取り上げない」選挙戦に募る違和感

市民が政策を評価する前の段階で足切りに

そんな現在の選挙のあり方に、水谷さんは疑問を抱いていました。

水谷さん:
「組織力は時間をかけてつくったもの。私みたいにポッと出てきちゃうと、ファンがいないわけじゃないですか。一番の問題はメディアが大きく伝えるでしょ? それが大きいんです。組織の後ろ盾がある立候補者は写真で大きく載って、泡沫候補は名前だけ、あるいは名前もなくて“その他4人出ています”と。これにはびっくりしましたね。最初はこんな扱いなんだって」

栄の交差点で街頭演説

「組織の大きさだけでなく、政策や立候補者の実行能力を評価してもらいたい」。水谷さんは記者クラブに抗議文を送ったこともありましたが、選挙活動は2週間しかありません。「声が枯れるまで、直接市民に語りかけていくしか道はない」

「SNS選挙」の転換期

SNS選挙

2024年の選挙は、SNSを活用した戦略が話題となりました。選挙戦の様子が人気のコンテンツとして配信の世界で拡散され、候補者自身が予想もしなかった支持につながることも。「SNS選挙元年」とも呼ばれるほど、絶大な影響力を及ぼしました。

水谷さんが動画の撮影から編集、アップ作業まで行う

水谷さんにとっても、SNSは自らの訴えを世に広める重要な武器でした。自力で動画を撮影・編集し、SNSを通じて若い世代の有権者に呼びかけようと粉骨砕身。1人でチャレンジしてみたものの「つくるのもアップするのも簡単。でも一番大切なのは拡散させること。そのためには組織力がないと難しいです」。

“バズる”動画をたくさんの人に見てもらうにも、組織力が必要だと思い知らされました。

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