山林火災の75%が“人為的な要因”注意すべき木の種類は落葉樹 落ち葉が堆積し乾燥、火がつくと広がる
岩手県大船渡市で発生した山林火災。約2900ヘクタールが燃えましたが、まだ鎮火していません。山地が多い日本では、山林火災がいつどこで起きてもおかしくありません。山林火災が広がる原因と危険性について調べました。
炎が地を這うように広がる山林火災
山林火災とはどういうものなのか森林総合研究所の吉藤奈津子さんに話を聞きました。山林火災は一般的に地面に落ちている乾燥した落ち葉や枯れ枝などに火がつき、炎が地を這うように広がっていきます。山林火災が起きてしまうと、放水する水をくみ上げる池などの水源が離れていることが多いため、消防隊員による鎮圧・鎮火に時間がかかります。
枯葉が堆積している場所に注意
特に火災に注意が必要な山林は木に葉はなく枯葉が落ちている場所です。秋に枯葉が落ちる落葉樹は注意が必要なんです。
自然地理学が専門の南山大学の藤本潔教授によると、落葉樹は年中葉をつけている「常緑樹」と違い、秋に葉が落ちることで枯れ葉が堆積しやすくなります。さらに、木に葉がなくなり日差しが地面まで届きやすくなるため落ち葉が乾燥しやすくなります。そうなると、この落ち葉に一度火がつくと広がってしまう可能性が高いといいます。
愛知県では瀬戸・豊田に落葉樹が多く分布
ちなみに愛知県の山にどのような木が分布しているのか現した図です(画像)。黄緑は落葉広葉樹を示しています。特に注意が必要なのが、瀬戸・豊田などです。黄緑が多くなっていて、落葉樹が多く分布しています。そのため極端な乾燥などの条件がそろった状況で、火災が起こった場合は、注意が必要になります。
山火事の75%が人為的な要因
落葉樹以外でももちろん山林火災には注意が必要だと思います。火災を起こさないために、私たちにできることはなんでしょうか。
愛知県によると、たき火や火入れなど人の不注意による山火事が46%を占めています。さらに、放火・その疑いを含むと75%が人為的な要因で火災が発生しています。森林総合研究所の吉藤さんは「日本の山林火災のほとんどは人為的なもの。火種がなければ山林火災が発生することはない。火の取り扱いに注意してほしい」と話していました。
ちょっとした火の不始末が、大規模な山林火災を引き起こしてしまう可能性もあります。火の取り扱いには十分注意しましょう。