“名古屋飛ばし”アーティスト続出が若年層の人口流出の一因か 愛知県のライブ公演数は全体のわずか7%
人気アーティストのライブ公演の日程から、名古屋が外されるいわゆる「名古屋飛ばし」の実態がデータで明らかになりました。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会の調査によると、2023年のライブ公演数は、東京都が約1万1千本、大阪府が6002本で、東京と大阪で過半数を占めるのに対し、愛知県は全体のわずか7%、2401本に止まっています。
愛知県の調査では、東京圏に転出した18歳~39歳の女性の約9割が希望する暮らし方に「最先端の文化や芸術などに触れられること」を挙げていて、ライブ公演の「名古屋飛ばし」が若年層の人口流出の一因になっている可能性が指摘されています。
「名古屋飛ばし」が若年層の人口流出の一因か
そうした中、中部経済連合会が3月13日、ライブ公演とまちづくりに関する報告書を公開しました。中部経済連合会は、愛知県を中心とする中部5県での音楽イベントなどのライブ公演の誘致が「若年層に魅力あるまちづくりにつながる」とする報告書をまとめました。報告書では、中部エリアにライブ公演が少ない要因に、東京と大阪が近いことや会場が少ないことを挙げました。
新しいライブ会場誕生で流れは変わるのか
一方で、2025年7月に名城公園内に誕生する「IGアリーナ」や、3月20日、港区に「COMTEC PORTBASE」が開業することなどに触れ「ライブ公演の受け皿は徐々に整いつつある」としています。
ライブ公演を誘致して経済を活性化
また、アーティストなどを応援するいわゆる「推し活」で、住んでいる地区から離れた会場に足を運ぶ若年層が多く見られることから、ライブ公演の事業者に中部エリアの交通の便をアピールすることが、誘致につながると指摘しています。中部経済連合会は、ライブ公演を誘致し中部エリアに足を運ぶ人が増えることで、地域経済が活性化することも期待しています。
中部経済連合会 清水誠調査部長:
「広域で連携して、いろんな関係者が手を組んでプロモーションしていくっていうことを今後ぜひともやっていく必要がある」