「震災は忘れられる」東日本大震災から14年 宮城県へのツアーで若者に震災の経験や教訓を受けつぐ

地域 ライフ コラム・特集 友だち追加

東日本大震災の発生から3月11日で14年です。名古屋市内でも追悼式が行われ、犠牲者への祈りが捧げられました。

東日本大震災の犠牲者に祈りを捧げる追悼式が、昭和区の鶴舞公園で行われました。警察庁によりますと、地震や津波の被害で亡くなった人は1万5900人、行方不明者は2520人に上ります。追悼式には約200人が参列し、献花台に花を手向けて犠牲者を悼んでいました。地震が起きた午後2時46分からは1分間の黙とうが捧げられました。震災の後、宮城県から愛知県に避難してきたというこちらの女性は…

宮城県から愛知県への移住者:
「複雑な思いでいつもこの日を迎える。(犠牲者は)大変な苦しい思いをして亡くなった。ゆっくり休んでほしい」

追悼式の主催者は…

東海岩手県人会 石井弘子会長:
「時がたつにつれて震災は忘れられていく。災害に対して他人事のような無関心のような気持ちになっていないか。それを考え直すことが一番重要だと思う」

若い世代に震災の経験を語り継ぐ 宮城県へのツアーを毎年開催

最大12.1メートルの津波が襲来、94人が犠牲に(宮城県七ヶ浜町)

震災の経験を若い世代に語り継ぐため、ボランティア団体も工夫を凝らしています。3月11日午前8時前、名古屋駅に集まっていた男女10人。名古屋のボランティア団体、レスキューストックヤードが実施するツアーの参加者たちです。参加者が向かう先は…

レスキューストックヤード 浦野愛さん:
「宮城県の七ヶ浜町に行く。5時間ちょっとくらいかかる」

2011年3月11日、宮城県の七ヶ浜町では最大震度5強の揺れを観測。最大12.1メートルの津波が襲来し、94人が犠牲となりました。レスキューストックヤードは震災の2日後から現地に入り、支援を続けてきました。

レスキューストックヤード 浦野愛さん:
「失われた命もあったが、地域の方が事前に準備していたこと、災害が起こってきたときに互いが声を掛け合って乗り越えた課題もたくさんあった」

被災地に住む同世代の若者との交流で「震災」を「自分事」として感じる

若者が被災者と交流する機会に

震災の経験や教訓を受け継ぐため、レスキューストックヤードは現地の被災者との交流会やフィールドワークを行うスタディツアーを毎年3月11日に行っています。大学院生の坂上さんは、2度目の参加です。その理由の1つが…

坂上野々香さん:
「(費用が)1万円のみです。学生は少し安くしていただいていて、これまで東北には3回行ったが1回目は全部自腹だったので(ツアーは)ありがたい」

旅費は通常約5万4千円ですが、このツアーでは学生は1万円で参加ができ、レスキューストックヤードが4万円以上を補填しています。さらに、こんな楽しみも…

坂上野々香さん:
「今回(のツアー)でも話をしてもらう七ヶ浜の友人。『私もまた行くね』と連絡した」

連絡を取り合うのはツアーで出会った被災地に住む同世代の若者です。同世代との交流を通じ、震災をより自分事として感じられるようになったといいます。

レスキューストックヤード 浦野愛さん:
「これから私たちの地域も南海トラフが来る可能性が高い。いまの10代、20代の人たちが直面するであろう。この取り組みには、次に災害に備える大きな意味があると思う」

おすすめの記事

おすすめの記事

アクセスランキング

アクセスランキング

ページトップへページトップへ