男「詰め襟」女「セーラー服」 定番の制服は昔の話 学生服にも「多様性」モデルチェンジは800校以上
制服の歴史がいま、変わりつつあります。カンコー学生工学研究所のデータを見ると、全国の中学・高校のうち制服のモデルチェンジをした学校の数が、2021年までは年間300校前後でした。しかし2022年はその倍以上となり、2023年は843校に。ここ数年で一気にモデルチェンジが進んでいます。
変わりゆく学校制服事情を取材しました。
被服心理学がご専門のお茶の水女子大学内藤章江さんは、近年の制服の変化の理由として「教育現場においても多様性の尊重が重要視されるようになったため」と話します。
大きな転機は2015年、文部科学省が出した通知にあるといいます。
文科省からの“通知”から制服の見直しが進んだ
文部科学省は全国の教職員に対し「児童生徒や保護者の意向を踏まえて、自認する性別の制服・衣服や体操着の着用を認める」としています。この通知を受けて各自治体や学校で制服の在り方が議論されるようになり、全国的に見直しが進んだといいます。
とはいえ新たな制服の導入には時間がかかり、企画から導入までには約2~3年かかるそうです。
文科省の通知があった約3年後の2018年ごろから、女子向けスラックスの導入校が増加。さらに2020年ごろから制服全般を新しくする学校が増加したということです。県内でも特にここ数年で変化がありました。
小牧市の誉高校では2023年度からパーカーを導入
一例を見てみます。一宮市の全ての公立中学校では、従来、男子は詰め襟、女子はセーラー服でしたが、2022年度からブレザーに変更。上着は男女共通のジャケットでボトムはスラックス、スカート、半ズボンのような形のキュロットから選べるようになっています。
また、小牧市の誉高校では2023年度からパーカーを導入。ジャケットやシャツ、ブラウスと合わせても良く、パーカー単体での着用も可能です。通学中や授業中も着用できます。
ちなみにどちらの事例も生徒や保護者などの意見を反映して作られています。どの制服を着るかは性別問わず自由に選択できるのです。