「苦渋の決断」引っ越し後の段ボール回収を無料から有料に 物価高騰の影響が引っ越し業界を直撃
春は、進学や異動などで新たな生活のスタートを切る人が最も多い時期です。しかし今、需要が高まる引っ越しの業界に異変が起きていました。
引っ越しスタッフ:
「おはようございます。よろしくお願いします」
3月5日8時半ごろ、愛知県蟹江町内の集合住宅では引っ越しが行われていました。スタッフ2人が2トントラック1台分の荷物を約1時間30分かけて運び出していました。
引っ越しを依頼した人:
「新居を買いまして、そのタイミングでちょうど(引っ越し業者を)探していたので。やっぱり重いものとか、きれいに丁寧に運んでもらえるので、そこはすごい助かりますね」
段ボールを担ぎながら慌ただしく走るスタッフ。なぜ、そんなに急いでいるのでしょうか。
ウエルカムバスケット 齊藤勇太チーフ :
「3月は繁忙期に入ってきてますので、忙しくなってきてます」
ウエルカムバスケットの営業所を訪ねると…
ウエルカムバスケット 名東・名南支店 清水雅人次長:
「2月の初めから3月の頭くらいまでは見積りが本当にピークですね。普段は30件くらいなんですけど、多い時は訪問の見積もりでも50件くらいになります」
この時期は協力会社のトラックを借りているほか、アルバイトも増やして対応しているため、経費が増えていると言います。さらに頭を悩ませているのが「物価の高騰」です。こちらは引っ越しに欠かせない段ボールです。
ウエルカムバスケット 名東・名南支店 清水雅人次長:
「年々、材料費が高騰していて、だいたい1.5割増えている」
テープや梱包材も高騰しています。さらに…
ウエルカムバスケット 名東・名南支店 清水雅人次長:
「トラックを使っての引っ越しがメインですので、そこにかかる経費は抑えたいですけど、ガソリンも年々値上がりしていますので…」
引っ越し後の段ボールの回収もトラックで行うため、ガソリン代がかさみます。ウエルカムバスケットはこれまで無料だった段ボールの回収を2025年1月から有料にしました。
ウエルカムバスケット 名東・名南支店 清水雅人次長:
「私ども20何年間、無料でやらせてもらっていたところですが、どうしても昨今の事情を踏まえると、なかなか回収難しくて、苦情の決断で有料にさせてもらった」
ウエルカムバスケットは段ボールのデザインを簡素化するなど、引っ越し料金を抑える企業努力を進めていると言います。
ウエルカムバスケット 名東・名南支店 清水雅人次長:
「1人でも多くの客にうちのトラックを使ってもらって、引っ越ししてよかったと新生活をスムーズに行けるように努めています」