狙われるランクルやプリウス 愛知で自動車盗難あと絶たず2024年は全国ワースト 対策を専門家が解説
愛知県で自動車の盗難があとを絶ちません。2024年1年間の盗難認知件数は866件と、全国ワーストでした。愛知県警によると、車の通信システムに侵入して鍵をあけたり、エンジンをかけたりする特殊な機器を使い、短時間で盗み出す手口が広がっているといいます。
特に転売目的でトヨタのランドクルーザーやプリウス、アルファードが狙われているとみられ、警察が注意を呼びかけています。
自動車の盗難被害の2024年1年間の月別の内訳を見てみると、春先にかけて右肩上がりに増加したあと高止まりしていて、平均すると月72件です。2025年に入っても、1月は70件認知されていて警察が警戒を強めるとともに、注意を呼び掛けています。相次ぐ自動車の盗難、防ぐにはどうしたらいいか、専門家に聞きました。
長年、トヨタをはじめ自動車メーカーを取材している自動車ジャーナリストの池田直渡さんです。メーカーは盗難対策に力を入れていると話します。
自動車ジャーナリスト 池田直渡さん:
「ランドクルーザーでは指紋認証。本人の指紋を登録して、その指紋が合わないとエンジンがかからない仕組み。かなり高度な仕組みで、われわれがメーカーにテスト用でランドクルーザーを借りる。こういう時には『指紋登録は絶対にしないでくれ』と。トヨタが(登録された指紋を)解除しようと思っても大変。厳重なセキュリティになっている」
ただメーカーのシステムは犯人も対抗策を次々と考え出すため、イタチごっこが続いていて、大切なのは個人での盗難対策だと言います。
池田さんが指摘するポイントは3つ。1つ目はホテルの駐車場に注意することです。
自動車ジャーナリスト 池田直渡さん:
「ホテルはグレードにもよるが、どうしてもお金がある人が泊まるから高級車が多い。例えば深夜のホテルの駐車場だとわりとゆっくり作業ができてしまう。防犯カメラがあればいいが、そういう装備がないところもあるからなかなか難しい」
ポイント2つ目、盗まれないために取るべき方策として重要なのが「防犯グッズの活用」です。
自動車ジャーナリスト 池田直渡さん:
「盗難行為に入る前に、これはちょっとめんどくさそうだなと思われるものは、やっぱり着手されにくい。ハンドルロックとか、ホイールを挟む布団バサミのような大きなロックとか、揺れたりすると大きな音が鳴る対策グッズもある。そういうものを使うと、セキュリティに関しては効果がある。(犯行グループに)着手される前に諦めさせた方がいい」
池田さんは勧めるのは複数のグッズの併用です。ただ、警報がなるグッズは誤作動をすると近所迷惑になるので注意が必要です。
ポイント3つ目、リモコンで鍵を開けられるスマートキーは玄関先に置かないことが重要です。
自動車ジャーナリスト 池田直渡さん:
「今の車はスマートキーのボタンでロックがあけられる。キーの電波は微弱だが、ずっと出ている。これを解析して増幅して車側に送れる機械がある。だいたい出かけるときに車は使うから、玄関先辺りに車のキーが置いてあるケースが多い。そうすると、だいたいその辺りにあるんじゃないかと(犯行グループが)見当をつけて、キーの電波を試しに拾う。外からアクセスしやすい場所の近くに(キーを)置かない」