日本経済のどん底を支えてきた「就職氷河期世代」しかし賃金上がらず「世代間格差」も 不遇な人生

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実は大企業は人件費を抑制している しわ寄せが40代・50代に

なぜ大企業に勤める「就職氷河期世代」の賃金は上がらないのでしょうか。第一生命経済研究所、首席エコノミストの永濱利廣さんに話を聞きました。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱利廣さん:
「企業の人件費全体の抑制は続けている。なぜ新卒の賃金が上がっているかというと、彼らは人数が少ないことに加え、入ってもすぐやめるリスクが高いので、そうなると、採用する側もできるだけやめられないように賃金は上げざるえない。

一方で40代、50代はこれまで積み重ねてきたこともある、家族もある。なかなか転職に前向きに動きにくいので、そこを足元見られて、経営者側からすると賃金を上げなくてもやめないだろうというところで賃金が上がりにくい状況になっている」

大企業が人件費を抑制していることを示すグラフです。中小企業は、前年よりも2%から3%、賃金が増えています。しかし大企業は、前年よりも0.7%賃金が減っています。この人件費抑制のしわ寄せが就職氷河期世代にきていると、永濱さんは指摘します。

永濱さん「(就職氷河期世代の)所得環境が厳しいと、個人消費も盛り上がりにくい」

さらに、就職氷河期世代の賃金は日本経済にも影響していると言います。

第一生命経済研究所首席エコノミスト 永濱利廣さん:
「少なめに見積もっても就職氷河期世代は2000万人以上存在していて、今働いている雇用者が6000万人くらいとすれば、3分の1以上は就職氷河期世代。さらに家族形成もあって1番消費をする世代。そこの所得環境が厳しいとなると、経済全体の個人消費もなかなか盛り上がりにくい」

賃上げをめぐって見えてきた世代間格差をどのように埋めるのか。2025年の春闘で注目が集まります。

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