「名駅」VS「栄」繁栄するのはどっち 栄で一番高い「ザ・ランドマーク名古屋栄」の効果は
名古屋・栄で建設が進む「ザ・ランドマーク名古屋栄」で2月5日、上棟式が行われました。どんなビルになるのか取材しました。
記者:
「28階に到着しました。ここは約140メートルの高さということで、360度名古屋を一望することができます」
記者がいるのは、名古屋・栄で建設が進む「ザ・ランドマーク名古屋栄」の28階です。2月5日は上棟式が行われ、最上階に設置する最後の鉄骨を棟上げして、骨組みの完成を祝いました。
「ザ・ランドマーク名古屋栄」は、地下4階、地上41階建てで、高さは約211メートル。中部電力ミライタワーを30メートルほど上回り、栄エリアで最も高い建物になります。
三菱地所 茅野静仁 中部支店長:
「ビルには非常に多彩な機能が集まっている。栄全体を回遊してもらえればありがたい」
「ザ・ランドマーク名古屋栄」は2026年3月に完成、夏ごろ開業の予定です。
栄地区待望のシネコンに商業施設、有名高級ホテルが入居
「ザ・ランドマーク名古屋栄」には、どんな施設が入居するのでしょうか。地下2階から地上4階には、松坂屋やパルコの親会社・Jフロントリテイリンググループが手掛ける商業施設が入居します。5階から9階には、栄エリアでは初めてのシネマコンプレックス「TOHOシネマズ」が入ります。12階から30階はオフィス。そして10階・11階と、ビル最上部の31階から41階には、ヒルトングループの高級ホテル「コンラッド・ホテル&リゾーツ」が客室170室を展開します。
専門家「名古屋駅に押され続けてきた流れが大きく変わる節目になる」
栄エリアで高級ホテル「TIAD」や「中日ビル」などが開業する中、「ザ・ランドマーク名古屋栄」は名古屋駅周辺との勢力図にどんな影響を及ぼすのか、名古屋学院大学現代社会学部の江口忍教授に話を聞きました。
名古屋学院大学現代社会学部 江口忍教授:
「ザ・ランドマーク名古屋栄が出てくると、今まで名古屋駅に押され続けてきた流れが大きく変わる節目になるというのはあり得る」
「一番期待できるのは、世界的な高級ホテルチェーンが入るということ。名古屋を素通りしてきたような富裕層の外国人観光客が、名古屋を訪れる機会ができる。訪日客の消費がもたらされるということは期待できる」
日本人については…
名古屋学院大学現代社会学部 江口忍教授:
「栄にはなかったシネマコンプレックスや、今まで名古屋になかった魅力ある施設が入るので、ここ20年、栄に足を向けていなかった岐阜や一宮や津島とか、名古屋駅で止まってしまうような人たちを栄に呼び込む効果が期待できると思う。大事なことは、ただ商業施設ができたら栄が復活するという話ではない。栄にとって一番大事なのはこれからで、栄に人が集まってもらうような仕掛けというか、街づくりが必要」
集客のカギを握るのは…
名古屋学院大学現代社会学部 江口忍教授:
「何万人規模で人が集まれる施設は名古屋駅には全くない。栄はイベントができる。そういう点でいうと、久屋大通の南側はこの先の栄の命運を握る大切な場所になる。
(久屋大通南側の優位性は)まずは広さ。そして交通利便性が高い。栄駅、矢場町駅、2つの駅を使える。巨大なフリーマーケットうけると思う。コスプレ系のイベントとか、食べ物に関するようなイベントはやりやすいかなと思う」