トランプ関税が発令 ジェトロが日本への影響を試算 シナリオによっては自動車産業への打撃も
アメリカのトランプ政権は、メキシコとカナダ、さらに中国に対する追加関税を決めました。自動車産業に打撃となるのでしょうか。
名古屋市昭和区のスタートアップ支援施設・ステーションAiでは、トランプ政権でのアメリカ自動車産業の最新動向を伝えるセミナーが開かれていました。セミナーの参加者は自動車業界に携わる人。真剣な表情で聞くその理由は“トランプ関税”です。
ジェトロ 伊藤実佐子 米州課長:
「トランプ大統領が発言してきた関税政策、これをやる、あれをやるというのは、本当にやるというのがご理解いただいたかと思います」
“トランプショック”で株価は下落 節目の3万9千円を割り込む
トランプ大統領は日本時間の2月4日午後2時から関税を引き上げます。カナダとメキシコからの輸入品には25パーセント、中国に対しても追加で10パーセントの関税をかけます。
アメリカ トランプ大統領:
「歴史的にカナダは、貿易で我々に対して非常にひどく不公平な対応をしてきた。カナダがアメリカの51番目の州になるのを見たい。もしそうなれば、カナダ国民は非常に大きな減税措置を受けられるだろう」
トランプ関税への警戒感から、3日の株価は下落し、先週の終値からの下げ幅は一時1100円を超えて、節目の3万9千円を割り込みました。
関税政策で日本のGDPはマイナス0.02パーセント、自動車はマイナス1.4パーセント
講演したジェトロの伊藤実佐子さんに、日本への影響を聞きました。
ジェトロ 伊藤実佐子 米州課長:
「日本からアメリカに輸出している場合は対象外になっているので、日本は若干のプラスの影響になっています。それは、メキシコとカナダで生産していたものが他の生産・調達拠点からのものに代替されるという意味で、日本にとってプラス」
しかし、仮にトランプ氏が掲げてきた「中国に60パーセント、すべての国に20パーセントの関税を課す」関税政策に踏み切った場合は自動車はマイナス1.4パーセント、日本のGDPはマイナス0.02パーセントに。さらにとなり、深刻な影響を受けます。
ジェトロ 伊藤実佐子 米州課長:
「全世界からの輸入に対して、10~20パーセントのベースライン関税が実際に発動された場合、どこの拠点に移しても結局、10~20パーセントの関税がかかってしまうので、(アメリカ)現地生産を進めていた企業は影響が比較的小さいと予想できています」