加湿器を掃除しないと肺炎「加湿器肺」になるかも タンクへの「水の継ぎ足し行為」はNG
猛威を振るっているインフルエンザ。その予防対策として「加湿器」を活用している人も多いのではないのでしょうか? しかし、加湿器は使い方を間違えると「新たな病」を引き起こしてしまうかもしれません。その病というのが「過敏性肺炎」いわゆる「加湿器肺」です。「加湿器肺」について解説します。
「加湿器肺」はアレルギー性肺炎の1つ 最悪は呼吸困難に
「加湿器肺」とはどのような病気か、愛知医科大学病院の伊藤理医師に話を聞きました。
加湿器肺というのは、アレルギー性の肺炎=過敏性肺炎の1つです。加湿器のタンク内の水に繁殖したカビや細菌などの微生物が、蒸気とともに室内の空気中に広がり、その空気を吸い込むことによって引き起こされます。
加湿器肺の特徴
加湿器肺は一般的な風邪の症状と似ているのも厄介です。そのため私たちが加湿器肺の特徴を知ることが重要です。大きな特徴は下記の3点です。
・薬を飲んでも治らない
・家に帰ると症状がでる
・加湿器を使わないと症状が改善する
早期発見のためには、特徴に当てはまると感じた場合、このような症状を医師に説明することが大事です。
加湿器の使い方
加湿器肺にならないために、まずは加湿器を正しく使うことが重要です。加湿器の正しい使い方についてダイニチ工業の佐藤日那さんに話を聞きました。
重要なのは掃除の頻度です。水を入れるタンクは毎日、中のフィルターやトレイは2週間に1回は掃除をする必要があるといいます。タンクは水を入れ替える際に振り洗いをして、フィルターに関してはクエン酸や重曹で漬けおき洗いをすると雑菌を除去できるそうです。
さらにタンクに入れる水も気をつける必要があります。1度沸騰をさせた水かミネラルウォーター、水道水どちらをいれたほうがいいと思いますか?
正解は水道水です。理由は水道水に含まれている微量の塩素。この塩素に殺菌効果があり、雑菌の繁殖を抑えてくれるということです。
タンクへの水の継ぎ足しはNG
ただ水道水でも注意が必要です。水切れが心配でついつい水を継ぎ足しながら使ってしまう“タンクへの水の継ぎ足し”はNGです。
水道水には塩素がありますが、タンクに入れた水道水の塩素は半日ほど抜けてしまい、雑菌が繁殖しやすくなるといいます。面倒かもしれませんが、その都度水を入れ替えるようにしましょう。
今、猛威をふるっているインフルエンザや風邪の予防として加湿器を活用することは大切です。正しく加湿器を活用するように心がけてください。