「プーチン政権は自滅するのではないか」トランプ大統領誕生でロシア・プーチン大統領は窮地に 専門家解説
アメリカのトランプ新大統領誕生で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻はどうなるのか。ロシア政治が専門の筑波大学名誉教授、中村逸郎さんに話を聞きました。
筑波大学 中村逸郎名誉教授:
「トランプ氏に裏切られてしまった。プーチン政権は窮地に立たされている状況です」
なぜプーチン政権が窮地なのでしょうか。その理由は、今ウクライナ側が攻勢を強めているロシア西部クルスク州にあります。「ウクライナ軍のクルスク州からの撤退」をロシアはウクライナ軍事侵攻の停戦条件とし、新たなトランプ政権に期待していました。
そんな中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、クルスク州で北朝鮮兵2人を捕虜にしたとSNSに投稿したのです。
中村名誉教授:
「プーチン政権は北朝鮮に軍の派遣を依頼して、2024年12月以降、北朝鮮の兵士たちがロシア軍と合流してクルスク州を奪い返す、と。トランプ氏からすれば、北朝鮮とロシアが結託している。そのプーチン政権に加担するのは『やめよう』と思ったわけです。
トランプ氏にロシア・北朝鮮がグルになっているのではないか、と思われてしまう。そこをトランプ氏は非常に気にかけて、心配した。自分はロシアに近づくことは非常に危険だと、立場・意見を変えた」
さらに、ロシア国内ではこんな動きが…
中村名誉教授:
「この女性は夫、息子が戦死してしまった。それを何とか抗議したい。真っ向からプーチン政権だと反戦活動ができない中で、こうして都心の公園で横たわった姿を見せている。ホームレスのような格好をしながらも、きちんとプーチン政権への抗議を自分の体で抗議の意を表している。民衆が反プーチンの反乱を起こしていく」
ロシア国内の足元がぐらつき始める中「トランプ新大統領は、あえて動かないのではないか」と中村さんは予想します。
中村名誉教授:
「ロシアとウクライナの当事国同士で話し合うことは到底不可能。だから第三国が仲介に入っていきたいところだが、トランプ氏の思惑としては、余計な手出しをせず、まずロシア国内でプーチン政権に対して民衆がどう動くのか。
ロシア軍はガタガタに崩壊している。その中でロシア国民がそれを踏まえてどう動くのか。このロシア・プーチン政権を見ていると、どうやら自滅の方向に向かっているのではないか」