「能登に来て」能登半島地震で被災のイカ加工業者を救ったのは物産展 しかし過密スケジュールで疲弊
能登半島地震から1年、「イカのまち」として知られる石川県能登町のイカの加工業者を取材しました。被災から1年、現状と今の思いに迫りました。
先月上旬、石川県の物産展が名鉄百貨店本店で開かれました。一角にブースを構えたのは、能登町の「和平商店」です。イカ刺しやイカの一夜干し、さらにしょうゆ漬けなど、能登町特産のイカを加工した商品を販売しています。
女性客:
「このイカを求めて探して歩いていたんです。こんな形でも応援できればと思いまして」
和平商店が、物産展に出展する理由には、ある事情がありました。
和平商店 浅井英輝 本部長:
「地元ではいま本当に売り上げがほとんどない状態なので」
先月中旬、能登町にある和平商店の工場では、朝からイカの加工作業が行われていました。イカの中に詰められているのは、ショウガを混ぜ込んだ自家製のみそです。完成したのは、「イカの鉄砲焼き」。物産展で1番人気の商品です。
その工場の内部をよく見てみると…
和平商店 浅井英輝 本部長:
「中も亀裂が入っていて、ここは埋めてあるんですけど、ここも工場自体が2つに分かれてしまって、いまコンクリートで埋めましたけど、外からネズミが入ってきたりしていたので、早急に埋めて工場が稼働ができるように何とか持っていった感じですね」
去年1月の地震で、工場は壁が裂けたり、水道管が壊れたりして、半壊となりました。2か月後には生産を再開しましたが、新たな壁にぶつかります。それは「売り先がない」ことです。