能登半島地震、住宅の再建は道半ば 穴水町の家屋の公費解体は約53%完了「先が見いだせない」人も
2024年1月1日、能登半島を襲った最大震度7の巨大地震。石川県内では10万を超える住宅に被害が出ました。穴水町の家屋の公費解体状況は完了率約53%(2024年12月28日時点)。被災者の住宅の再建は道半ばです。現在も名古屋から被災者のボランティアを続ける団体を取材しました。
穴水町に町内の交流の拠点となる「ボラまち亭」を構えた
名古屋のボランティア団体「レスキューストックヤード」の浦野愛さんは、発災翌日から穴水町に入り、炊き出しやがれきの撤去などの活動を始めました。2024年6月からは町内の交流の拠点となる「ボラまち亭」を構え、現在も被災者の困りごとを聞いたり、物資を届けたりと支援を続けています。
「寒さ」で思い出す“あの日”の状況
「この寒さが来ると、やっぱりあの当時のことを思い出すなと思って」
この日の午後に訪れたのは、いまも約100人が暮らす仮設住宅の団地です。母親と妻、息子の4人で暮らす馬渡秀男さんの住宅を訪ねました。
馬渡さんは避難所を経て23年3月に仮設住宅に入居。今も自宅は再建できず、ここでの生活も10カ月が経ちました。
馬渡秀男さん:
「前の家と比べれば、(広さは)5分の1くらい。のびのびと足を伸ばすことはできないので、ストレスがたまってくる。(仮設住宅と自宅では)地獄と極楽くらい違う。自宅に戻ることができたら、そんな幸せなことはない」
馬渡さんにかつての自宅を見せてもらうと、すでに解体されていました。解体現場を見るたびに、長年暮らした自宅がなくなっていく寂しさを感じたといいます。ただ建設業者との調整がつき、1月から工事が始まります。再建に向けて希望が見えてきました。
「のんびりできる自宅が(出来上がるのが)今後の夢。それが再出発という格好でね」
建設業者の手が回らない状態
一方で、いまだ再建のめどが立たない人も多くいます。穴水町によりますと、公費での解体が終わっているのは全体の53%(2024年12月28日時点)。2025年8月までにすべて解体する予定ですが、雪の影響などによるスケジュールの遅れも懸念されます。
また、解体ができても、相次ぐ需要に建設業者の手が回らない状態です。