中国の暴走なぜ許す? 「領空侵犯」が常態化する恐れも 元大使「日本外交は国際常識から外れている」
日本の南で続く中国との攻防。
海上保安庁:
「貴船は日本の領海に侵入している。直ちに退去せよ!」
中国海警:
「貴船の主張は受け入れられない。ここは中国の領海である!」
こんな中国の挑発が2024年8月、さらにエスカレートした。
「緊迫の2分間」中国軍機、史上初の領空侵犯
写真は8月26日、日本の領空に侵入した中国軍の情報収集機だ。アンテナが矢印の先についている。長崎県の上空に近づいたこの軍用機は、男女群島沖で旋回を開始。自衛隊がスクランブル発進し、「領空に接近しすぎている」と通告するも従わず、約2分間、日本の領空を侵犯した。中国軍機による領空侵犯は史上初めてのことだ。領空を出ると再び旋回を繰り返し去っていった。
この重大事案に対し、中国の林剣報道官は「中国はいかなる国の領空も侵す意図はない」と発言。ところが、そのわずか4日後・・・
今度は中国海軍の測量艦が、鹿児島県・屋久島沖の領海に侵入、およそ2時間も航行を続けたのだ。測量艦は、潜水艦が通るのに必要な海底の地形や海流などのデータを収集するのが役割とされる。空でも海でも、軍事目的の調査を許してしまったのか?
台湾有事を想定? 「領空侵犯」が常態化する恐れも
テレビ愛知の「激論!コロシアム」に出演した軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、わずか2分間の領空侵犯でも十分に情報収集ができるという。
「領空侵犯の先には米軍の佐世保基地や航空自衛隊の築城基地、新田原基地など、日本の南西方面を守る主要な基地が点在している。そこがどんな動きをするかは2分間で十分わかる。これは『台湾有事』を想定した中国の情報収集だ」と指摘する。