福岡市のタクシー会社に外国人運転手が続々 1カ月の手取り63万円の人も 人手不足・高齢化対策

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福岡市にあるタクシー会社、東栄タクシー。運転手の4分の1が外国人です。高齢化が進む業界で若年化を図るため、外国人運転手の採用を積極的に進めていて、バングラデシュ、ペルー、アメリカなど多様な背景を持つ運転手が活躍しています。東栄タクシーの取り組みと外国人運転手の活躍について紹介します。

外国人運転手の採用とその背景

東栄タクシーで働くタクシードライバー

東栄タクシーでは、46人のタクシー運転手のうち12人が外国人。高齢化が進む業界で若い人材が不足している中、外国人運転手を積極的に採用することで、若年化を図っています。日本人運転手の平均年齢は60歳を超えており、外国人運転手が中核となりつつあるのです。

東栄タクシー 取締役 中里裕貴さん

東栄タクシー 取締役 中里裕貴さん:
「この業界は高齢化が進んで、若い人がなかなか入らないんです。とにかく僕らは若年化を図りたいので、外国人運転手をたくさん入れようかなって」

沖縄に出向いて採用活動

マラ・バンガリーさん

ギニア人のマラ・バンガリーさんは、2024年8月にデビューした新人です。元バスケットボール選手で日本全国をまわっていましたが、就職のために福岡へ引っ越してきました。

マラ・バンガリーさん:
「なんでお金かけて沖縄まで来るの。面接だけ。まだ会社に入っていないのに。この人(中里さん)は信用できると思いました」

採用担当の中里さんは当時、マラさんが住んでいた沖縄まで出向き、マラさんの家族にも会社のことを説明しました。

二種免許取得をサポート

二種免許の取得に苦戦

外国人運転手が苦労するのが二種免許の取得です。特に学科試験に苦戦することが多く、マラ・バンガリーさんは8回目の受験で合格しました。

この二種免許の試験は2024年から、英語やスペイン語など、20の言語で受験できるようになりました。東栄タクシーでは免許取得にかかる教習・受験費用30万円のほか、合格するまでの日給8000円を支給する制度を設けています。

高収入と生活費の魅力

ベンデズ・エドゥアルドさん

ペルー出身のベンデズ・エドゥアルドさんは、タクシードライバー歴9カ月で、1カ月の手取りは63万円。「福岡は客がいっぱいいる。タクシーが少ないから、値段がすごいすごい」と話すエドゥアルドさん。

福岡のタクシー運転手の収入は全国9位の一方、物価は5番目に安いという調査結果があります。このため、稼ぎが多く生活費が安いのが魅力です。また、福岡の道は東京に比べて走りやすいという点も、運転手にとって大きな利点です。

新卒留学生の採用拡大

新卒の留学生の採用を進める

東栄タクシーは大学との提携を拡大し、新卒の留学生の採用を進めています。将来的には、ドライバーの健康や安全面を管理する職種にも外国人運転手を登用。3年後には従業員の半分を外国人運転手にすることを目指しています。

日本経済新聞社 橋爪洸我記者:
「外国人の採用では多くの企業が試行錯誤しています。東栄タクシーでは待遇面への配慮だけでなく、日本人と同じ仕事を外国人運転手に任せています。今後、経営を担う外国人人材の育成がビジネス持続の鍵となりそうです」

東栄タクシーの取り組みは、外国人運転手の活躍を通じて、業界全体の若年化と多様化を進める一助となっています。

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