タイパ重視の若者取り込む チンする宅配健康弁当”ナッシュ”って、なに?
いま若者からの支持を集め、急拡大する宅配弁当サービスがあります。若者に人気がある弁当サービス。若者にウケる理由とは何か。取材しました。
とある家庭の冷凍庫で、男性が冷凍弁当を取り出し、手慣れた手つきで電子レンジのタイマーを設定。彼が頼んだのは「ナッシュ」の冷凍宅配弁当です。メニューは70種類以上あり、特に「鮭のマッシュポテトアヒージョ」などが人気です。専属の管理栄養士が監修していて、どれも1食あたりの糖質量が30グラム以下、塩分量も2.5グラム以下と、一般的なコンビニ弁当よりも低く設定されています。
健康志向と低価格で若者に支持される
ナッシュの販売数は累計9000万食に達し、2年前の倍以上に増加しています。顧客層は20〜30代の若者が中心で、健康に配慮した栄養バランスと、いわゆる「タイパ(タイムパフォーマンス)」の良さが理由です。
価格は1食599円(税込)からと他社と比べて割安。累計注文が170食以上になると1食あたり499円(税込)に割引される仕組みです。さらにこの6年間で3回も値下げを実施し、食材価格の高騰にも関わらず、コストを抑えています。
自社工場による効率的な生産
価格を下げられる理由の1つは、自社の国内工場で製造していることです。例えば、大量のチャーハンを混ぜる工程や、副菜を容器に詰めるラインでは、メニューの難易度や従業員のスキルに応じてコンベヤーの速度を調整。廃棄率を5%未満に抑えています。
さらに、飽きさせないために70種類以上のメニューのうち、毎週3つを入れ替える工夫もしています。新メニューの開発には「和」「洋」「中」の第一線で活躍したシェフが関わっていて、糖質や塩分を抑えつつも食べ応えのある料理を提供しています。