「誰もやったことがない」最新の画像解析技術でごみ捨て場から川へ流れるごみの量をデータ化 対策に生かす
ごみの輸送量を測定する方法はこれまでもありました。しかし、いずれも川に網を入れて直接ごみを採取する方法で、雨が降って水量が多くなった際には多くのごみが流れると、安全面や作業負担が課題でした。
雨が降り水の流れが速いときに、河川に網を入れると水の力に引っ張られごみの採取が難しく、人手が必要でした。また、雨の中で作業するため、効率がよくない調査でした。
一方、RIADを用いた川ごみのモニタリングは従来の方法と比べ、安全性や確実性が大幅に向上。また、ネットワークカメラや太陽光パネル、バッテリーの使用で観測の無人化、自動化、長期連続観測が可能になりました。また、動画データを用いるため、細かい時間別に解析が可能、煩雑なセットアップや作業は不要で、動画データでごみの判別が可能です。
RIADを製品化した八千代エンジニヤリングの吉田拓司さんは、安全に無理なく川ごみの実態を把握することが重要と話します。
八千代エンジニヤリング 開発推進部 プロジェクト推進課 吉田拓司さん:
「海洋ごみの大部分は、陸から出たごみが河川を経由して海まで流出しています。この問題を解決する一歩として大切なのは、河川に流れてきた浮遊ごみの実態を把握することなんです。この「RIAD」はそういった河川に浮遊したごみがどれぐらい流れてきているのかということを把握できる技術になります」
――浮遊ごみを観察したデータは、どのように生かせるのでしょうか
八千代エンジニヤリング 開発推進部 プロジェクト推進課 吉田拓司さん:
「例えば、普段から川の清掃活動やリサイクル活動をしている方たちへ情報を伝えることで自分たちの活動でどれだけごみが減らせたのかなど数値で表すことができます。そうすることで、彼らの日々の清掃活動がどれだけ貢献しているのか分かるので、モチベーションにもつながります。また、このモニタリングを続けていきデータを蓄積していけば、今日はごみがたくさん流れそうだ、今日は少ないなどある程度の予報もできるようになると思います」