「やたらと水が出てくる」がれき撤去にあたった建設業者 水の原因は分からず【蒲郡土砂崩れ「証言」】
8月下旬に蒲郡市で起きた土砂崩れでは、3人が亡くなりました。現場では一体、何が起きていたのか。番組では現場で対応にあたった人物を徹底取材。現場でがれきの撤去作業にあたった作業員の証言です。
地元・蒲郡市の建設業、山中組の長坂卓哉さんです。長坂さんが当時、蒲郡の土砂崩れの現場に到着したとき、驚いたことがあったと言います。
山中組 長坂卓哉さん:
「現場見ると、やたらと水が出ている。崩れた家のほうから流れてきていた。山の水が流れてくるのは分かるが、全体に流れているので。1カ所だけザーっと流れているので。そこに水通りあるわけでないのに」
長坂さんによりますと、建物が崩れた付近に大量の水が激しく流れていたと言います。
山中組 長坂卓哉さん:
「山水なのか水道なのか、農水なのか、わからないけど、とにかく水がすごく流れていたので普通には歩けない状態。いろんなものが流れてきていたので。(がれきなどを)撤去しても撤去しても、上から水が流れてくるので、土がどんどん流れてくる」
「崩れた山が、どんどん水通りでヒビがどんどん大きくなっていった。時間がたつにつれて、大きくなっていったので、また崩れるかもしれない」
なぜ大量の水が流れていたのか 豊川用水は水漏れがないことを確認
大量の水はどこからやってきたのでしょうか? 現場近くには豊川用水が通っています。豊川用水は、9月6日に管理団体の職員らが通水テストを行い、水漏れがないことを確認しました。
では、大雨の影響なのでしょうか。現地調査を行った土砂災害に詳しい名古屋大学の田中隆文客員教授は…
名古屋大学 田中隆文客員教授:
「今回の場合(斜面から)水が噴き出した後があまり明確に見られない。本当にどこから水が来たんだろうと。崩壊した最上部のところに地中水(地下水)じゃない形で水が集まっているようにみえている」
なぜ大量の水が流れていたのか。さらに、その水と土砂崩れの関係性は。現在も調査は続いていて、原因の解明が急がれます。