王座戦第3局 「千日手」を目指す藤井七冠に局面を動かす永瀬九段 序盤は先手・後手をめぐる攻防
王座戦の初防衛を目指して対局
将棋の王座戦五番勝負の第3局が京都市で始まり、藤井聡太七冠が30日に勝てば王座のタイトル初防衛となります。
第72期王座戦は、藤井七冠がタイトル奪還を狙う前の王座、永瀬拓矢九段の挑戦を受けています。これまで藤井七冠は、2勝0敗で、30日の対局に勝てばタイトル初防衛となります。
対局は午前9時に永瀬九段の先手で始まりました。勝敗は30日の夜に決まる見通しです。
藤井七冠ストレートでタイトル防衛なるか
第3局は永瀬九段が先手で、藤井七冠が後手でした。将棋では、先手が若干有利と言われています。
先手と後手をめぐる駆け引きに注目すると、序盤は戦いに備えて、互いが陣形を整えていきます。50手目、永瀬九段が、5八金と金を玉に寄せる手を指しました。対する藤井七冠はバランス重視の2二金。ここからさらに4八金。そして、4二金と進みました。
54手目のこの局面、覚えていますか? 実は50手目と全く同じ局面になっています。将棋には千日手というルールがあり、同一の局面が4回現れたときには先手と後手を入れ替えて初めから指し直します。つまり、藤井七冠は、先手での指し直しを目指す作戦に出たのです。
一方、これを回避したい永瀬九段は、4五歩の一手を打ち、駒をぶつけて局面を動かしにいきました。