伊勢湾台風上陸から65年「中心気圧の低さ」「南寄りの風の暴風」で犠牲者5000人超える大災害に
5000人を超える犠牲者を出した伊勢湾台風から9月26日で65年です。名古屋市内で慰霊祭が行われました。名古屋市千種区の平和公園で行われた慰霊祭には、河村たかし市長や市の職員ら、約20人が出席。河村市長らは黙とうの後、慰霊碑に花を手向け犠牲者を悼みました。
1959年9月26日に上陸した伊勢湾台風の死者・行方不明者は5098人で、名古屋市は市町村単位で最多の1851人に上ります。
河村たかし市長:
「65年も経ったのかと。なんとか繰り返さなくて済むようにしなくてはいけない」
なぜ、伊勢湾台風がこの地方に甚大な被害をもたらしたのでしょうか。気象予報士の上野高明さんに話を聞きます。
要因は「台風の中心気圧の低さ」「南寄りの風の暴風」
伊勢湾台風は1959年の9月26日から27日にかけて、伊勢湾沿岸に記録的な高潮被害をもたらした台風です。要因は「台風の中心気圧の低さ」と「南寄りの風の暴風」の2点。1つずつ解説していきます。
1つ目の「台風の中心気圧の低さ」。9月26日午後6時の天気図を見ると、伊勢湾台風の中心気圧、和歌山県上陸時929hpa。上陸時の中心気圧としては統計史上2位の記録。そのときの台風の東、名古屋の海面気圧958.2hpaで統計史上1位でした。
気圧が低いと海面が持ち上がる「吸い上げ効果」により、高潮や南寄りの風の暴風が起きるのです。