「魔の時間帯」見え方実験で交通事故防止 日没早まる9~12月の歩行者の事故死者数は2倍
午後5時から午後7時までの間に愛知県内で発生した交通事故による歩行者の死者数、5年間平均だとひと月平均で0.7人です。一方、日没時間が早まる9月から12月の4カ月間の平均は1.4人と、ひと月平均と比べると、2倍です。この時期に多発する夕暮れ時の交通事故を防ごうと、9月24日、ドライバーを対象にした講習会が開かれました。
「魔の時間帯」夕暮れ時の交通事故 早めのライト点灯で危険を察知
魔の時間帯で、車のドライバーからは歩行者がどのように見えるのか、JAF愛知が講習会を開きました。
記者:
「午前11時過ぎの愛知県一宮市です。ショッピングモールの立体駐車場なんですが、この時間でも薄暗いです。実はこの薄暗さが、ちょうどこの時期の夕方5時から7時までの時間帯、いわゆる”魔の時間帯”と同じくらいだということなんです」
講習会ではまず、それぞれ色の違う5色のカラーコーンを、服に見立てて並べます。約50メートル離れた位置から車のロービームを点灯させて見てみると…
記者:
「コーンがあることはなんとなく分かるのですが、色はほとんど分かりません」
ハイビームに切り替えると…
記者:
「初めてそれぞれの色を認識することができました」
JAF愛知支部 吉田英治さん:
「日没時間が早くなりますので、早めのライト点灯で危険を察知して、安全運転に努めてください」
光の間にいる人や物が一時的に見えにくくなる「蒸発現象」に注意
さらに魔の時間帯に注意すべき点が。それは…
吉田さん:
「やはり蒸発現象は意識していただきたい」
蒸発現象とは、自分の車のライトと対向車のライトが重なると、その光の間にいる人や物が一時的に見えにくくなる現象のことです。実際に蒸発現象を再現してみると…
記者:
「目を凝らせば人がいる事は分かるのですが、下半身はほとんど確認することができなくなりました」
ライトの前を歩行者が横断したその時、一瞬、歩行者が消えたようにも見えました。これが「蒸発現象」です。
吉田さん:
「横断歩道の手前では、もしかしたら歩行者が渡るかもしれないという気持ちを持って、いつでも止まれる速度で通行いただくようお願いします」