キャンプの相棒「キャンピングカー」シートは生地の裁断から縫製まですべて手作業 トイファクトリー
キャンパーの間で絶大な人気を誇る、トヨタ「ハイエース」ベースのキャンピングカー。シンクやエアコンを取り付けると、広々としたベッドやダイニングなど、内部は“まるでお家”のよう。今回は、そんな人気のキャンピングカーを作る「トイファクトリー」(岐阜・可児市)の工場に潜入。「地産地消」にこだわる、シート生地の製造現場に密着する。
「ハイエース」大改造! 地産地消こだわりのシート
まずは大理石のような見た目のウレタンを、シートの枠組みにはめていく。その上からシックな色のカバーをかぶせ、しわにならないようにしっかりと合わせる。最後にヘッドレストを付ければ、座席シートの完成だ。工場で1つひとつ組み立てている。
座席シートの生地には、10種類ものバリエーションが! 布製シートの生地は尾州で織られたもので、そこには「地産地消で東海地方のものを使いたい」というこだわりがある。愛知県尾張西部などからなる尾州は、世界的な織物の産地として知られている。
シートカバーを作っているのは、「トイファクトリー」提携先の工場(愛知県江南市)。中に入ると織物工場らしく、生地を生み出す“織機”のいい音が響く。
生地は縦糸と横糸を組み合わせて作る。縦糸の間を横糸が往復することで、一列ずつ生地になっていくのだ。目にも止まらぬスピードで織り上がっていくが、実は今の主流となっている自動織機のスピードに比べるとかなり遅い。
その理由を聞くと、「このスピードだと、やわらかい風合いと品質の良い生地ができる」と工場の武馬靖さん。あえて早すぎないスピードで織り上げることで糸への負担が軽減し、やわらかくふんわりとした生地に仕上がる。
シートの縫製に約5時間!
こうして織られた専用の生地は「トイファクトリー」の縫製工場へ。なんと従業員が、生地をはさみでカットしている。「トイファクトリー」では、生地の裁断から縫製に至るまで、すべて手作業で行う。