猛暑で三千桜酒造は岐阜県から北海道に移転 生産量は一升瓶換算で3倍の6万本に 企業は気候変動対策を

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異常な暑さが続いた2024年の夏。気象庁の発表によると、6月から8月の日本の平均気温は平年を1.76度上回り、昨年と並んで歴代1位の高温となりました。この状況はビジネスにも大きな影響を与えています。

気温上昇がビジネスに与える影響と企業が取るべき対応策について、中日BIZナビの森若奈記者に解説してもらいました。

名古屋の夏の暑さ、37度以上の日数は29日

猛暑日数

今年の名古屋では、35度以上の猛暑日が41日も記録されました。過去の平均12.4日と比べて3倍以上に。また、37度以上の危険な暑さの日数は29日もありました。

このような気温上昇は、地球温暖化が主な原因とされています。気象庁のデータを見ると、1891年から2023年の名古屋の平均気温は右肩上がりになっています。今後、猛暑が常態化する夏となるかもしれません。

温暖化で三千桜酒造は北海道に移転

移転した三千桜酒造(※三千桜の「桜」は「きへん」に貝2つに女)

岐阜県中津川市で1877年に創業した老舗「三千桜酒造」は、2020年に北海道上川郡東川町へ移転しました。移転の理由の1つは温暖化です。社長の山田耕司さんは「お酒を造るためにはお米を冷却する必要がありますが、2015年頃から冷えにくくなった」と話します。東川町に移転したことで、すぐに蒸米を冷やすことが可能になったのです。

山田社長「みんな、来ればいいと思いますよ」

生産量は一升瓶換算で2万本から6万本に増加

移転後は酒造りのシーズンが長くなり、9月から5月まで製造が可能になりました。販売量も増え、生産量は一升瓶換算で2万本から6万本と3倍に増加。従業員も3人から10人に増えました。山田社長は「寒い気候がお酒づくりを呼ぶ。みんな来たら、にぎやかになっていいじゃないですか」と笑顔を見せます。

温暖化への対応

日本気象協会 本間基寛さん

日本気象協会の本間基寛さんは「企業は温暖化にどう立ち向かうかという課題に直面している」と語ります。2015年のCOP21で採択されたパリ協定の「世界の平均気温上昇を1.5度に抑える」の目標達成は難しく、企業は経済活動と気候変動の両方に対応する必要があります。

猛暑が常態化する中で、地球温暖化は経済界にとっても無視できない課題であり、その対応が今後のビジネスの鍵となるでしょう。

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