水とトイレットペーパーが2023年同期比3倍以上の売り上げ 南海トラフ地震臨時情報でパックご飯も
南海トラフ地震の臨時情報の発表からまもなく1カ月、注意の呼びかけは終了していますが、東海地方の小売店ではミネラルウオーターの売り上げが伸びています。
ミネラルウオーターの販売金額が高止まり 東海地方では前年比3割高
民間の市場調査会社「インテージ」が、東海4県の小売店約600店舗の販売記録から分析した結果、臨時情報を発表した翌日の8月9日に、ミネラルウオーターやトイレットペーパーなどの日用品が、2023年の同じ時期と比べて3倍以上の売り上げとなりました。
インテージ 市場アナリスト 木地利光さん:
「1つ特徴的な動きとしては、震源地に近い宮崎県よりは、南海トラフ地震が起きたときに特に危険とされている東海、近畿、四国で備蓄用商品の購買が特に目立ってみられた」
備蓄用商品の中でも特徴的だったのが…
木地さん:
「ミネラルウオーターの販売金額が、やや高止まりしていて、(南海トラフ地震臨時情報から)2週間後の8月19日週でも、東海地方では前年比3割高の水準を維持していた。これは1つ考えられるのが、『ローリングストック』といった形でミネラルウオーターを消費するという動きが少し広がってきているのかなと。臨時情報が出されたことをきっかけにローリングストックを始めてみて、実際にそのサイクルを回しながら消費している人も一定数いるとみている」
※ローリングストック:ストックしている食料を、使ったら使った分だけ新しく買い足して備蓄していく方法
パックご飯も2023年比2倍の売り上げ
最近の米不足と連動して、売れ続けている商品もありました。
木地さん:
「パックご飯については、東海地方では前年比2倍の水準が、(南海トラフ地震臨時情報から)2週間経った8月19日週でもみられている。南海トラフ地震臨時情報が出される前から米がやや品薄で米が買えなくなったので、備蓄用だけでなく米の代替としてもパックご飯が買われるといった購買行動が出ている」
今回の調査を受けて木地さんは、平常時における地震への備えが不十分だったのではないかと分析しています。
木地さん:
「一部見られたパニック買いというのは、普段あまり買い物をしていない人の方がより必要以上に買う傾向がみられているので、落ち着いた購買行動をして、必要なものを必要なだけ買う考え方を身に着けていく必要があるのでは」