「地中から水が吹いた痕跡ない」愛知・蒲郡市の土砂崩れの現場を調査して専門家が疑問
8月に土砂崩れが発生した愛知県蒲郡市竹谷町の現場を、県の職員や専門家らが訪れ、斜面の特性を中心に調査しました。
8月27日夜、蒲郡市竹谷町で土砂崩れが起き、住宅が飲み込まれて3人が死亡、2人が重軽傷を負いました。
記者:
「発生から1週間経った9月4日、現場にはまだ土砂や倒木が高く積みあがったままです」
なぜ土砂崩れが起きたのか。愛知県の砂防課や斜面の崩壊に詳しい名古屋大学の田中隆文客員教授ら31人が現場で調査しました。田中客員教授は、土砂が崩れたあとの斜面を実際に登って、ある疑問がわいたと言います。
名古屋大学 田中隆文客員教授:
「ほかの災害現場でよく見る表層崩壊(土砂崩れ)だと、斜面の中腹くらいから水が吹いた跡があるが、今回それがない。最上部まで行っても地中から水が吹いた痕跡がない。地中から水が吹いた状況はなくて、これだけの土量が侵食されて斜面の下部に落ちている」
水が吹いた痕跡がないのに、なぜ斜面が崩壊したのか。調査チームでは、今後、原因究明に努めていくということです。